“NEXTランパード”となるはずだった男を覚えているか ガラスの膝に苦悩するMF

これまでチェルシーでは4試合にしか出場することができていないファン・ヒンケル photo/Getty Images

もうブルーズ復帰は難しいか

かつて“フランク・ランパードの後継者”になると大きな期待をかけられ、チェルシーに舞い降りた逸材MFがいたのを覚えているだろうか。2013年夏にフィテッセからやってきたオランダ人MFマルコ・ファン・ヒンケルである。

エールディビジで若くして印象的な活躍を披露し、鳴り物入りでチェルシーへとやって来たファン・ヒンケル。優れたキック精度と強靭なフィジカルを武器に、数年後はブルーズの中盤を支配できる。獲得当初、多くのファンは彼にそんな期待を寄せていたはずだ。

しかし、オランダ産のテクニシャンがロンドンで輝くことはなかった。ファン・ヒンケルは移籍初年度となった2013-14シーズンにいきなり膝の前十字靭帯断裂の大怪我を負うと、その影響でシーズンの大半を棒に振る。翌シーズンはACミランにレンタルされ後半戦に存在感を示すも、最終的にチェルシー復帰は叶わず。その後も同選手はストークやPSVといったクラブをレンタルで転々とするキャリアを送ることとなり、2018年7月には再び膝を負傷。今年1月に約2年半ぶりの復帰を果たしたが、チェルシーではもはや完全に“忘れられた男”になってしまったと言っていい。
そんなファン・ヒンケルとチェルシーの現行契約は今季限りとなっているが、彼の未来はどうなるか。昨夏は1年の契約延長を行なったことからも、クラブがまだこのテクニシャンに期待していることは窺える。しかし、あまりにもピッチから離れている時間が長すぎただけに、再びブルーズが手を差し伸べる可能性は現状そこまで高くないと言えるか。ファン・ヒンケル自身も、クラブが延長オファーを提示してくる希望は薄いと感じているようだ。

「来週あたり、チェルシーは僕の契約に関して決断を下すことになるだろう。どのような結果になっても、落ち着いて受け入れるつもりだよ。正直言って、僕が今後彼らのためにプレイする可能性は高くないと思う。でも、試合に出ることさえできれば、価値を証明する自信はあるよ。彼らがどんなプランを持っているかはわからない。でも、今はすこぶるコンディションが良いんだ。もう一度チャンスがあったら、それは本当に素晴らしいことだね」(英『THE Sun』より)

復帰すればチームに貢献する自信はあるが、さすがにタイムアップの瞬間が迫っていると感じている様子のファン・ヒンケル。復帰後はエールディビジ9試合の出場で87.2%のパス成功率(データサイト『SofaScore』より)を記録しているものの、さすがに今季激戦区となっているチェルシーの中盤に入り込むほどではないか。

怪我に悩まされ続けたオランダのテクニシャン。復活の期待はかけたいところだが、彼がチェルシーでそれを実現させるのは難しいのかもしれない。

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