総得点の“41.9%”に絡む重戦車FW インテルを先頭で引っ張った男に称賛を

今季インテルの前線で圧倒的な存在感を放ったルカク photo/Getty Images

悲願達成に不可欠だった男

2020-21シーズン、ついにセリエAで絶対王者・ユヴェントスの牙城が崩された。現地時間2日に行われたリーグ戦第34節で2位アタランタが引き分けたことにより、2009-10シーズン以来11季ぶりの裁冠を果たしたインテル。2019年夏にアントニオ・コンテ監督を招聘し積極的な補強も行なった結果、ついにネッラズーリはセリエAの頂点へと帰ってくることに成功した。

そんなインテルにおいて、ベルギー代表FWロメル・ルカクが果たした貢献は他の選手よりも頭ひとつ抜けていたと言っていい。もちろん他の選手の躍動も見逃せはしなかったものの、この重戦車FWがシーズンを通して披露したパフォーマンスは秀逸の一言に尽きる。

なかでも称賛されるべきは、やはりその“ゴールに絡む力”だろう。今季ここまでのルカクがセリエA33試合に出場して21ゴール(リーグ2位)10アシスト(リーグ1位タイ)。ゴールとアシストを合わせた数では堂々のリーグ単独トップとなっている。インテルが記録しているリーグで2番目に多いチーム総得点「74」のうち、41.9%に直接絡んでいるというのだから驚くほかない。得点力もさることながら、圧倒的なフィジカルを活かして味方のゴールもお膳立てする。まさにパーフェクトなFWと言っていい。
そのほか、シュートの正確さもルカクの持ち味のひとつだ。ここまでセリエAで21得点を決めるのに同選手が放ったシュートはたったの89本。決定率を計算すると、その数字は23.6%となる。得点ランキングトップのユヴェントスFWクリスティアーノ・ロナウドが16.88%(シュート160本中27得点)ということを考えれば、ルカクの数値は際立っていると言っていい。

加えて、総シュート数に対する枠内シュートの数の割合も、50.6%とハイレベル。これは得点ランキングTOP10に入っている選手のなかで最も高く、2番目に高いACミランFWズラタン・イブラヒモビッチでも48.75%となっている。ルカクは唯一の50%超えだ。

これらの数字を見ても、今季悲願を達成したインテルにおいて不可欠だったと言えるルカク。マンチェスター・ユナイテッド時代には少し伸び悩んでいる印象もあった重戦車FWだが、ついにベルギーの大器がイタリアで完成を遂げている。

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