悪くはないが、磐石でもない アーセナルが抱える“右SB”の悩み

今季なかなかパフォーマンスが安定しないベジェリン photo/Getty Images

「アルテタが不安を感じているのはわかる」

ミケル・アルテタ監督の下、新たな時代を築かんと2020-21シーズンの戦いに挑んだアーセナル。しかし、彼らの歩みは現時点で決して順調とはいえない。プレミアリーグではここまで29試合を終えて9位。ところどころでポジティブな面も垣間見えるが、現状アーセナルは少し厳しい時間を過ごすこととなっている。

とはいえ、怒りの矛先をアルテタ監督へ向けるわけにはいかない。むしろ、同監督はウナイ・エメリ前体制で崩壊寸前だったチームの指揮官を任され、よくここまで持ち直したといえるだろう。単なる順位だけで、彼の技量を測ることはできない。勝負は来季となるはずだ。

しかし、今季のスカッドでそのまま新たなシーズンを迎えることもできないだろう。結果が出ていない以上、テコ入れは必要だ。そうなると、今夏移籍市場でアーセナルがまず最初に手を加えるべきはどのポジションか。
おそらく、それは右サイドバックだろう。これまでこの位置で絶対的存在になることを期待されていたエクトル・ベジェリンはパフォーマンスが不安定。その影響で代役として起用されたセドリック・ソアレスが印象的な活躍を披露こそしたが、ここ最近はカラム・チェンバーズを右SBとして起用される試合も増えており、いまだにアルテタ監督が同ポジションのチョイスに頭を悩ませていることは窺える。

もちろん、ソアレスやチェンバーズも可能性のあるプレイは見せている。来季は彼らを併用して1シーズンを乗り切るという考え方もあるだろう。だが、やはり絶対的レギュラーとして扱うことができる選手は欲しいところ。実際、現地複数メディアによると、アーセナルは今夏にレアル・ベティスのDFエメルソンを筆頭に新たな右SB獲得に向けて動き出しているという。

「右SBは今アーセナルで最も興味深いポジションだ。あの位置で頻繁に選手が入れ替わっているところを見ても、アルテタがそこに不安を感じているのはわかる。私としても心配だよ。夏にその不安が解消されることを願っている。実際、ハキミやランプティをリストアップしたなんて話も出ているね。フィットするかどうかは何試合か見てからでないとわからないが、改善に向けてアーセナルが動き始めているのは好印象だよ」(英『Daily Mirror』より)

クラブOBのナイジェル・ウィンターバーン氏も、アーセナルの右SBには少なからず不安を抱いている様子。サイドこそ違えど同じポジションを務めた人物として、古巣が抱える問題には思うところがあるようだ。

決して最悪というわけではないものの、現状“磐石”とはいえないアーセナルの右SB。はたして、逆襲を図るガナーズはこのポジションに関して今夏どのような動きを見せるのか。アルテタ監督の選択は如何に。

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