バルサとレアルのカギ握るのはドリブラー 前線で異彩放つ2人

一皮剥けた印象があるデンベレ photo/Getty Images

アトレティコを2強が追う展開に

今シーズンのリーガ・エスパニョーラを序盤戦から引っ張ってきたのがディエゴ・シメオネ率いるアトレティコ・マドリード。開幕から順調に勝点を伸ばし、2013-14シーズン以来となるリーグ優勝へ向けて進んでいる。

しかし、そんなアトレティコを追うのがバルセロナとレアル・マドリードのスペイン“2強”。序盤戦は不安定な戦いが見られたものの、徐々に安定感を取り戻しはじめ首位を伺う動きを見せ始めている。

その両チームでここに来て調子を上げ、前線で異彩を放つ2人のドリブラーがいる。バルセロナのウスマン・デンベレとレアルのヴィニシウス・ジュニオールの2選手である。
2017年にバルセロナに加わったデンベレは、ドルトムント時代からその才能を認められ将来のフランスを背負う逸材と評価されてきた。しかし、怪我や素行不良などの問題でそのポテンシャルを満足に見せられないでいた。

そんな中今シーズンは、ここまで大きな故障離脱もなくシーズンを過ごしている。ロナルド・クーマンからの信頼も厚く、前線でリオネル・メッシのパートナーとして、またアントワーヌ・グリーズマンを加えたトリオとして存在感を放っている。

メッシやグリーズマンに比べると、ドリブルやスピードといった個人で相手DFを引きつけられるデンベレは2人にはない特長を持っている。最近は前線で2トップや1トップをこなすことも増えてきており、このフランス代表FWとメッシやグリーズマンとのコンビネーションが新たなバルセロナの攻撃の形となり機能し始めている。

一方、ヴィニシウスがレアルで担う役割もデンベレに近いものがある。2018年にレアルに加わったブラジル代表FWの最大の武器はスピードを活かしたドリブルにあり、最近はジネディーヌ・ジダンのもと、ウイングだけでなく2トップとしての起用も増え始めている。

パートナーを組むカリム・ベンゼマがゲームメイクやフィニッシャーとして抜群の存在感を放つなかで、脇を固めるヴィニシウスも持ち味のドリブルを活かし、チャンピオンズリーグのアタランタ戦や国内リーグのセルタ戦で崩しの切り札として機能した。

今季リーグ戦で3ゴールと最終局面でのフィニッシュの精度は課題といえるが、エデン・アザールが怪我を繰り返すなどベンゼマに次ぐ前線の駒不足が指摘されてきたレアルにとって、ヴィニシウスがポテンシャルを見せ始めているのは好材料である。

アトレティコを追うバルセロナとレアルにとって絶対的な得点源であるメッシやベンゼマといった選手たちへのマークが厳しくなるのは当然。そんな中でデンベレやヴィニシウスといった一芸に秀でた選手たちの存在はエースを助ける意味でもカギを握ってくるのではないか。

調子を取り戻してきたバルセロナとレアルにおいて存在感を示すデンベレとヴィニシウス。スペイン“2強”のリーグ逆転優勝のカギを握るのは前線で異彩を放つ2人のドリブラーかもしれない。

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