アトレティコを圧倒 トゥヘル・チェルシーはCLのダークホースとなれるのか

勝利を喜び合うトゥヘル監督と選手たち photo/Getty Images

2試合合計スコア3-0でベスト8に進出

チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦2ndレグは、現地時間3月17日にチェルシー対アトレティコ・マドリードの試合が行われ、ホームチームが2-0で勝利。2試合の合計スコア3-0でチェルシーがベスト8進出を決めた。

1stレグで勝利を収めたものの、メイソン・マウントやジョルジーニョなど主力を欠くなかでリーガ・エスパニョーラで首位のアトレティコとの試合に挑んだチェルシー。しかし、トーマス・トゥヘルの就任以来安定感を増したチームは欧州の舞台でも崩れない。

勝ち抜けのためにゴールが必要なアトレティコが序盤から積極的なプレスで守備陣に圧力をかけるが、チェルシーはボールを保持しながらプレスをかいくぐる。そして機動力に優れるティモ・ヴェルナーを中心としたカウンターでシメオネ率いるチームに攻勢をかける。
迎えた前半34分、カイ・ハフェルツを起点としたカウンターでヴェルナーが抜け出し、最後はハキム・ツィエクが右足で押し込む。マウントの不在を感じさせない前線3人による高速カウンターが決まり、2試合合計スコアで2点のリードを奪うことに成功した。

トゥヘル就任以来劇的に改善したのが、守備の安定感。ルイス・スアレスをはじめとしたアトレティコの攻撃陣に決定的なチャンスをほとんど作らせず。後半14分にはエースであるウルグアイ代表FWを早々にベンチに追いやるなど、4バックと3バックを使い分け攻撃をしかけてきたアトレティコ相手に落ち着いた試合運びを見せる。

終了間際には途中出場のエメルソン・パルミエリにもゴールが生まれ2-0で試合は決まった。試合終了後にシメオネも示唆したように、スコア以上にチェルシーがアトレティコを圧倒した試合だったといえるだろう。

歴代指揮官で最長となる就任から13試合連続無敗を継続したトゥヘルのもと、7年ぶりとなるCLベスト8進出を決めたチェルシー。欧州の舞台で経験豊富なアトレティコ相手に見せた印象的なパフォーマンスは、さらなる躍進を期待させるものだった。

ベスト8の顔ぶれが決まったCLの戦いで優勝候補といえるのが、昨年の王者バイエルン・ミュンヘンと今季圧倒的な強さを見せるマンチェスター・シティ。攻守において隙のない戦いを見せるこの両チームが欧州の戦いでカギを握るのは間違いない。

そんな中で今季トゥヘルの監督就任以来チーム再生に成功したチェルシーは、他のチームと比べても良いチーム状況にある。昨年パリ・サンジェルマンをCL決勝の舞台に導いたドイツ人指揮官のもと、完成度を高めてきたチームがダークホースとなる可能性も十分にあるのではないか。

アトレティコ戦でヴェルナー、ハフェルツ、ツィエクらが躍動したように今季獲得した戦力も調子を上げつつある。この調子を維持したままCL準々決勝の戦いに入れれば、チェルシーが大会をかき回す存在となることも期待できる。

スペインの難敵アトレティコ相手に安定したパフォーマンスを披露し、CLでベスト8の舞台に進むこととなったチェルシー。トゥヘルに率いられ安定感を増したチームがダークホースとなるのか注目したい。

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