トッテナムは193cmのファイターを確保すべし フランスで伸びる21歳の守備者

リールでプレイしているボットマン photo/Getty Images

未来のディフェンスリーダーになれる逸材

2020-21シーズン、ここまでリーグで3番目に少ない失点数「27」でなんとか持ち堪えているものの、トッテナムのセンターバック陣はなかなか安定しない。現在主戦力となっている選手の中で、安定感があるのはトビー・アルデルヴァイレルトくらいのものか。エリック・ダイアーやダビンソン・サンチェスは能力こそ高い選手だが、いずれもその調子には波がある。今後彼らが最終ラインの柱となれるかどうかは、正直言って微妙なところと言わざるを得ない。

そのほか、若いジェイフェス・タンガンガは右サイドバックでの起用が主となり、ジョー・ロドンはなぜかジョゼ・モウリーニョ監督から出場機会を与えられていない状況。「インテルでは守備陣に最高のグループがあった。マテラッツィ、サムエル、ルシオ、コルドバは5時間だってゴールを守ってみせる。私はそれを目指すよ」。以前モウリーニョ監督はこのような言葉も残しているだけに、現在の守備陣に満足していない可能性は高い。それだけに、今夏トッテナムがCBの補強に動くことも考えられるだろう。

そうなれば、スパーズは一体どのような選手を補強のターゲットとして狙っていくべきか。ひとり推薦したいのは、リールに所属するオランダ代表DFスフェン・ボットマン(21)だ。
昨夏アヤックスから加入した同選手は初の欧州5大リーグ挑戦にもかかわらず、ここまで至極安定したパフォーマンスを披露している。身長193cmのサイズを活かしたエアバトルの強さはピカイチで、今季リーグ戦で記録した空中戦勝利数はすでに「97」。これは同リーグでプレイするDF中2位となる数字だ。加えて、その勝率も71.32%とリーグトップクラスの数値を記録している。今季ここまでリーグ・アンで最少失点を記録している首位リール。ボットマンはその最終ラインを支える存在として、大いに躍動している。21歳という年齢や能力を考えても、スパーズにはおすすめできる存在だ。

それほどスピードがないという弱点は確かにある。しかし、トッテナムにおいてはそんなボットマンのウィークポイントも気にはならないはずだ。リヴァプールなどのハイプレスを敢行するチームであれば、最終ライン裏に生じるスペースをカバーする走力が必要となってくるものの、トッテナムはきちんと守備組織をセットアップしながら低い重心で構える戦術を採用することも多い。そのなかではひたすら相手のサイドアタックを跳ね返す時間も少なくないだけに、ボットマンのスピード不足もそれほど問題にはならないか。

英『football.london』によると、昨今のコロナ禍で財政難となっているリールはボットマンを今夏格安で売りに出すとの噂も浮上している。彼ほどの才能がバーゲン価格で確保できるのならば、トッテナムは獲得に動くべきだろう。チームのスタイルにもマッチしている長身CBだが、はたしてスパーズの決断はいかに。

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