チェルシーのCF問題を解決できる? 下部組織で伸びる“17歳”にかかる期待

チェルシーの下部組織ですくすくと成長するスーンサップ・ベル photo/Getty Images

エイブラハムに続く下部組織の逸材FW

2020-21シーズン開幕前、移籍市場でチェルシーは最高の補強を完了させたはずだった。なかでも、4500万ポンド(約60億円)もの移籍金を要して獲得したドイツ代表FWティモ・ヴェルナーへの期待値は相当に高かった。昨季ブンデスリーガで得点ランキング2位となる28ゴールを挙げた同選手。不動のセンターフォワードとなり、得点を量産してくれると多くのファンは信じて疑わなかったことだろう。

しかし、現実はそう上手く運んでいない。今季はもう終盤戦に突入しようとしているが、ヴェルナーの調子はいまいち上がってこない。ここまでプレミアリーグでは24試合に出場して5ゴール8アシスト。チャンスメイクはできているのだが、決定力の部分ではなかなか昨季ライプツィヒで披露していたレベルには及ばない。そんなヴェルナーの決定力不足もあって、今季もチェルシーは結局CFとしてタミー・エイブラハムやオリヴィエ・ジルーを起用することとなっている。彼らも素晴らしいストライカーではあるのだが、絶対的な9番を求めるチェルシーにとっては少し物足りないと言えるか。

そんな状況のチェルシーだが、彼らの下部組織には近い将来この“9番問題”を解決するかもしれない逸材FWがいる。U-17イングランド代表FWジュード・スーンサップ・ベル(17)だ。2015年からブルーズの下部組織に所属し、昨年7月からU-18カテゴリでプレイしている同選手。身長186cmの長身を活かした空中戦やポストプレイをはじめ、もともと中盤の選手だったことから1列下がってのゲームメイクも得意とする彼は、多くの仕事をこなせるモダンなCFとして成長することを各方面から期待されている。
早ければ、来季にもトップチームに合流できる可能性はあるだろう。すでに同年代の間では“敵なし”と言ってもいいほどの成績を収めているスーンサップ・ベル。今季ここまでU-18カテゴリでは公式戦14試合で16ゴールを記録している。なかでも圧巻だったのは、昨年11月に行われたU-18プレミアリーグ第8節のレスター・シティ戦だ。この試合でスーンサップ・ベルは技ありのバックヒールシュートで沈めた1得点を含む4ゴールの大暴れで、8-1の勝利に貢献。すでに、U-18カテゴリでは収まりきらない才能として周囲からの評価はうなぎのぼりだ。

「スーンサップ・ベルはまだ17歳の若者だが、来季はジルーやアカデミーの先輩であるエイブラハムとポジションを競っているかもしれない。ヴェルナーがエースとしての役割を果たせていない状況は、彼にとってもチャンス。チェルシーは下手に再度ストライカーを補強するよりも、この17歳に賭けてみるのはアリかもしれない。ポジションこそ違うものの、ビリー・ギルモアのようにスーンサップ・べルはレンタルを経由せずとも能力を示すことができるだろう」

英『football.london』も、この17歳の逸材にはこのような評価を下している。前線におけるプレイの引き出しが多いスーンサップ・ベル。うまくいけば、ボール保持に重きを置くトーマス・トゥヘル監督のサッカーにピタリとハマる可能性も低くはない。荒削りだが、総合力の高いCFとして大器の片鱗を感じさせる17歳のストライカー。今から彼がどのような選手に成長していくのか非常に楽しみだ。

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