CBでも渋く輝くリヴァプールの“闘将” 緊急事態のチームを支える頼れる男

チームの緊急事態を救うべく、ここ数試合ではCBとしてプレイしているヘンダーソン photo/Getty Images

注目すべきはファビーニョだけではない

2020-21シーズン、相次ぐ主力センターバックの負傷離脱に苦しむリヴァプール。ここまでなんとかプレミアリーグで4位に食らいついているものの、今季の彼らは何かと最終ラインのチョイスでは苦労を強いられることとなっている。フィルジル・ファン・ダイクやジョー・ゴメス、さらにはその代役を務めていたジョエル・マティプまで離脱してしまったのは、間違いなく大きな痛手だ。

しかし、そんなリヴァプールが直近のリーグ戦5試合で喫した失点は「4」。主力の欠場が続くも、それほど大量失点を喫しているというわけではない。むしろ、ここ最近チームで問題視されていたのは、なかなか得点を奪えない攻撃陣の方だった印象も強い。

では、一体なぜリヴァプールの守備陣はここまで離脱者が続出しながらも、一定のレベルをキープすることができているのか。それはもちろん、代役選手たちの奮闘があったからだ。なかでも、巷で注目されているのは今季早い時期からCBにポジションを移して、現在まで素晴らしいパフォーマンスを披露しているMFファビーニョか。身長188cmのサイズと優れたフィジカルを前面に押し出した守備スタイルで、リヴァプールの最終ラインを支える同選手。空中戦勝利数やクリア数、インターセプト数、タックル成功数といったあらゆる守備スタッツでチームトップの数字を叩き出している彼は、間違いなく現時点でのリヴァプール守備陣における重要人物と言えるだろう。
しかし、その隣で奮闘する“闘将”からも目が離せない。ファビーニョ同様、中盤からCBにコンバートされているMFジョーダン・ヘンダーソンの活躍も、リヴァプールがなんとか相手の攻撃を凌ぐことができている大きな要因と言えるだろう。中盤で培った統率力と読みを活かし、彼もまたCBとしてハイレベルなパフォーマンスを披露している。ファビーニョほどあらゆるスタッツでトップを記録しているわけではないものの、経験に裏打ちされた読みの鋭さは抜群。今季ここまで相手にドリブル突破を許した回数は、いまだに“ゼロ”というのだから驚きだ。そこまで目立つ存在ではないが、この男はリヴァプールの守備に間違いなく大きなプラス要素をもたらしている。

「ヘンドは6番でも8番でも、そして4番の位置でもプレイできる。彼は新たなポジションで我々のためにかなりうまくやってくれているよ。この位置でも、彼は間違いを犯すことなくプレイすることができている。本当にエキサイティングな選手さ」(英『Daily Mirror』より)

現地時間28日に行われたトッテナム戦後、ヘンダーソンに関してはユルゲン・クロップ監督もこのように賛辞を送っている。肉体的な強さを持つファビーニョもパフォーマンスも印象的だが、彼の隣で奮闘するキャプテンの活躍にも今後はさらにスポットライトが当たるべきか。本来は中盤で使いたい選手ではあるものの、CBとしてもヘンダーソンは与えられた任務をきちんと遂行している。

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