ドリブルセンス抜群の“超攻撃型SB” レヴァークーゼンが確保した若き才能

レヴァークーゼンへの加入が発表されたフリンポン photo/Getty Images

堅守のチームに攻撃力をプラスできるか

昨夏MFカイ・ハフェルツやFWケビン・フォラントといった主力を他クラブに引き抜かれながらも、今季ここまでブンデスリーガで3位につけるレヴァークーゼン。彼らの特長は、なんと言ってもその堅牢な守備だ。ここまで同クラブがリーグ戦18試合で喫した失点はわずか「18」。これはRBライプツィヒに次いで2番目に少ない数字。レヴァークーゼンの強みが守備にあるのは、これを見ても明らかだろう。

しかし、その一方で攻撃面は少しおとなしい印象だ。ここまでに挙げたチーム得点数はリーグ8位の「32」。決して悪くはない数字だが、MFフロリアン・ヴィルツやFWレオン・ベイリーといった実力者がいる割には少ないと言えるか。だが、そんなレヴァークーゼンはシーズン後半戦に優れた攻撃力をも手に入れることとなりそうだ。冬の移籍市場で、同クラブは右サイドの攻撃を活性化させることが可能な若手サイドバックを確保している。

そのサイドバックとは、セルティックから獲得したU-20オランダ代表DFジェレミー・フリンポン(20)だ。今季前半戦はスコティッシュ・プレミアシップで22試合に出場し、セルティック不動の右SBとして活躍していた同選手。まだ弱冠20歳のプレイヤーではあるものの、即戦力の補強と言えるだろう。
そんなフリンポンが持つ最大の特長は、やはりその攻撃力。なかでも注目したいのは独力で局面を打開できる突破力で、同選手は今季スコティッシュ・プレミアシップにおいて28回ものドリブル成功数を記録している。これは同リーグでプレイするDF登録の選手中3位の数字だ。得意のスピードを活かしたシンプルな縦突破もさることながら、相手の意表をついたカットインの技術も絶品。選択肢が多く、かつ大胆さも併せ持つドリブルはアタッカー顔負けのレベルにあると言っていいだろう。レヴァークーゼンに攻撃力をプラスするという点で、この20歳は大きな役割を果たす可能性が高い。

では、その一方でフリンポンの守備性能はどうか。いくら攻撃性能に優れていたとしても、自慢の守備に綻びが出ては元も子もない。結論から言えば、若さゆえの粗さは目立つ部分はある。しかし、守備を著しくサボるタイプでもなく、今季の彼はセルティックで3番目に多いタックル成功数(26回)を記録している。地上戦勝利数もチーム2位の92回を記録しているとあって、極端に守備が不得意というわけでもないだろう。フリンポンによって、著しくチームのバランスが崩れる可能性はそこまで高くないと言えそうだ。

レヴァークーゼンに攻撃力をプラスする若き右SB。はたして、フリンポンは新天地でどこまでその攻撃性能を活かすことができるか。20歳のドリブラーにかかる期待は膨らむばかりだ。

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