「間違いなくワールドクラス」
2020-21シーズン開幕前、クラブがマンチェスター・シティからドイツ代表FWレロイ・サネを獲得したことで、この男の出場機会は減少するかとも思われていた。しかし、バイエルン・ミュンヘンのFWキングスレイ・コマン(24)は、そんな逆境などものともせずに今季もチームのサイドアタックを支える存在として機能している。
それどころか、コマンの影響力はこれまで以上に大きくなっているのか。今季ここまで、同選手は出場した公式戦19試合で5ゴール10アシストをマークしている。2019-20シーズンが38試合の出場で8ゴール7アシストだったことを考えれば、これは大きな成長だ。一番の課題とされていたクロス精度も大幅に改善されており、今季の成功率(32.6%)は昨季の数字(20.0%)を大幅に上回っている。この数字を見ても、コマンが一皮剥けたことは明らかだ。
元来の強みであったスピードに、正確性も兼ね備えるアタッカーとなったコマン。もはや、彼はブンデスでも屈指のチャンスメイカーになったと言っていいだろう。
「コマンはこれまで僕が対峙したアタッカーの中で、間違いなく最強だった。スピードがあることは知っていたけど、想像よりもはるかに速かったね。それでいて、テクニックもある。間違いなくワールドクラスの選手だと思う」
独『Sport Buzzer』に対して、このように語るのはヴォルフスブルクのU-21フランス代表DFマクサンス・ラクロワだ。同選手は今季堅守を売りとしてここまで4位につける名門クラブの主力DFだが、今季絶好調のコマンにはさすがに度肝を抜かれたようだ。
昨季まではどこか未熟な面もあったが、今季は各方面から称賛の言葉が絶えないコマン。はたして、成長が止まらないバイエルンのスピードスターは、これからどこまでその影響力を高めてくるのだろうか。24歳は着実の世界トップクラスへの階段を駆け上がっている。