枠内シュートの6割超が得点に プレミア中堅クラブにいる“必殺仕事人”
今季からニューカッスルでプレイしているウィルソン photo/Getty Images
狙った獲物は逃さない
2020-21シーズン、イングランド・プレミアリーグで躍動しているストライカー。そう聞けば、多くの人が想像するのは一体誰か。おそらく、パッと思いつくのはリヴァプールのモハメド・サラー、トッテナムのハリー・ケインやソン・フンミンといった得点ランキング上位につける選手たちだろう。しかし、そんな彼らを虎視眈々と追う中堅クラブのストライカーからも現在は目が離せなくなっている。
そのストライカーとは、ニューカッスルに所属するFWカラム・ウィルソン(28)だ。ジャマイカにルーツを持つ選手らしく、類稀なるスプリント力を備えた点取り屋として知られている同選手。味方をサポートする動きにも秀でており、プレミア初上陸からの6年半で彼は万能FWとしての評価を確立したといっていいだろう。今季から活躍の舞台をボーンマスからニューカッスルに移したものの、そのパフォーマンスは依然ハイレベル。新天地でも定位置をガッチリと掴み、ここまでリーグ戦18試合の出場で8ゴール4アシストの活躍を披露している。
しかし、そんなウィルソンに関して、さらに注目すべきはその決定力だ。かねてよりフィニッシュワークに関する評価も高かった同選手だが、今季は明らかにレベルが違う。今季ウィルソンが放った枠内シュートに対する得点の割合は驚異の66.7%(12本中8得点)。シーズン途中の暫定値ではあるものの、これは同選手がプレミアでプレイしてきた過去6シーズンで最も高い数値だ。
加えて、今季他クラブの選手と比較してみても、その凄さは垣間見ることができる。現時点で得点ランキングでは9位タイとなっているウィルソンだが、この枠内シュート決定率では得点数上位10名の中で堂々のトップに立っている。2番目に高いソン・フンミン(63.2%)に肉薄されてこそいるが、これは称賛されて然るべき数字と言えるだろう。今季ここまで放ったシュート数がプレミアで5番目に少ないニューカッスルだが、そんなチームでウィルソンが担っている役割は間違いなく大きいと言えるだろう。
少し地味な存在ながらも、驚異の決定率で世界屈指のストライカーたちに食らいつくニューカッスルの“必殺仕事人”。ビッグクラブで躍動する華やかなFWに注目するのもいいが、中堅クラブでコツコツと得点を積み重ねるウィルソンの活躍は決して見逃すことができないだろう。