フランスのリーグ・アン得点ランキングを見てみると、現在1位に立っているのはパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペで11得点だ。
では、そのムバッペを2点差で追いかけるスタッド・ランス所属のFWブライユ・ディアとは何者なのか。
ディアが所属するスタッド・ランスはお世辞にも強豪とは言えず、現在17位と残留を心配すべき位置にいる。平均ポゼッション率もリーグワースト2位となる45.6%と低く、センターフォワードのディアにとっては得点を量産しづらい環境とも言える。
その中で9得点を挙げているのは見事で、仏『Le10Sport』によればセネガル代表でもプレイする24歳のディアにアーセナルも関心を示しているという。ステップアップの時は近い。
ディアはさすがにセネガル出身選手だけあって身体能力に優れており、トップスピードは驚異的だ。セネガル代表といえばリヴァプールでプレイするFWサディオ・マネ、ワトフォードFWイスマイラ・サールなど快速アタッカーが揃っているが、ディアの動きもそれに近いものがある。そのスピードはプレミアリーグでも十分に通用するだろう。
180cmのサイズながらリーチがあるため、DFを背負ってボールを守るプレイも苦手ではない。カウンター時にはボールを引き出して攻撃の起点になることもあり、単なるスピードだけのセンターフォワードではないところも頼もしい。
また、ゴール前での精度も印象的だ。得点ランク首位を走るムバッペが1試合平均3.6本のシュートを打っているのに対し、下位クラブのスタッド・ランスでプレイするディアは2.2本だ。これはリーグ全体で18番目の数字となっており、総シュート29本で9得点の成績はかなり魅力的だ。アーセナルのように得点力不足に苦しんでいるチームには最適なストライカーと言えるかもしれない。
11月15日に行われたアフリカネイションズカップ予選のギニアビサウ戦では、マネ、サールとともに3トップを組んで先発出場も果たした。3人とも圧倒的な身体能力を備えているため、2022カタールワールドカップでもダークホースになる可能性は十分に考えられる。
今季ディアがどこまでリーグ・アンで数字を伸ばせるのか。下位クラブからムバッペに戦いを挑む24歳のストライカーに注目するのも面白い。