カンテにも負けぬ“潰し屋”がいる 下位クラブで体を張るMFへの注目
ブライトンの中盤を引き締めるビスマ(手前) photo/Getty Images
下位クラブで必死に体を張る男
2018-19シーズンはプレミアリーグ17位、昨季は15位、そして今季も現在16位と、ブライトンはギリギリの戦いの連続で何とか1部に生き残ってきたクラブだ。おそらく今季も終盤まで苦しい残留争いが続くだろう。
そんなチームを中盤の底から支える男がいる。2018年の夏にフランスのリールから加入した24歳のMFイヴ・ビスマだ。
ビスマは近年のサッカー界で何かと重要視されている潰し屋タイプの守備的MFで、とにかく守備に走り回るのがメインの業務だ。今季もリーグ戦10試合に出場しているのだが、興味深いのはそのデータだ。
ここまでビスマはプレイタイムにすると899分間プレイし、タックル成功数は34回。これはリーグ6番目に多い数字となっており、リーグ屈指の潰し屋であるチェルシーのMFエンゴロ・カンテとも1回しか変わらない(カンテは35回)。下位に沈むブライトンの方がチェルシーより相手に攻撃される機会も多いため、それがタックル数に影響している部分もあるのだろう。しかし、それでも1073分間プレイしているカンテと変わらないタックル数を記録しているのは見事と言える。
しかもビスマの場合はタックルの失敗が少ない。例えばタックル数リーグ1位のエヴァートンMFアランは69回のタックルを仕掛け、成功は41回。つまりかわされた回数が28回あるのだ。35回成功させているカンテでも、16回の失敗がある。
世界を代表する守備的MFカンテ(右) photo/Getty Images
上位クラブへのステップアップを狙いたい
それに対してビスマは41回のタックルを仕掛けて成功が34回。失敗は7回と少なく、確実性が高い。また1試合平均ドリブル数も1.4回とまずまずの数字を残しており、中盤からボールを持ち運ぶことも可能だ。
今夏にはサウサンプトンからトッテナムへ移籍したMFピエール・エミール・ホイビュルクがブレイクを果たしたが、24歳のビスマもそろそろブライトンからステップアップを果たしていい頃かもしれない。ホイビュルクのように中堅クラブから上位クラブへ移籍し、一気に評価が上がるパターンもある。
182cmとサイズもまずまずだが、ビスマの奮闘ぶりを他クラブはどう見ているのか。2018-19シーズンからチームの残留に貢献し続けてきたビスマはもっと評価されるべきかもしれない。(数字は『WhoScored.com』より)