強力ライバル加入で火がついた マンCで燻っていたDFがついに真価を発揮する

加入以降伸び悩んでいたストーンズはついに殻を破ったか photo/Getty Images

アケ、ディアスには負けられない

マンチェスター・シティ加入以降、なかなかその真価を発揮できていなかった男はついに殻を破ったのか。2016年夏に4750万ポンド(当時レートで約66億5000万円)もの移籍金でエヴァートンからやって来たイングランド代表DFジョン・ストーンズが、ようやくシチズンズで存在感を示し始めた。

これまではレギュラー格としての活躍を期待されながらも、怪我の影響やその不安定なプレイぶりからジョゼップ・グアルディオラ監督の信頼を掴み切ることができていなかったストーンズ。昨季も守備の要であるアイメリック・ラポルテが負傷離脱を強いられたなかで、彼に対する期待は大きかった。しかし、結果的に出場数はわずか24試合にとどまり、苦しい立場を変えることはできなかった。

しかし、2020-21シーズンのストーンズは一味違う。開幕当初からしばらくベンチを温める期間が続いたものの、ここ数試合はスタメンの座を掴み出色のパフォーマンスを披露している。タイトな守備と鋭い読みを駆使したパスカットは秀逸の一言に尽きる。加えて今季出場した公式戦9試合のうち、7試合でクリーンシートを達成している点は称賛されて然るべきだろう。
では、一体なぜストーンズは今季ここまで好調なのか。本人がその理由として挙げるのは、夏のマーケットで移籍してきた強力なライバルの存在だ。彼らの加入で危機感を覚えたことによって、ストーンズは例年以上に努力をするようになったのだという。英『Daily Mail』に対して、この26歳は次のように語る。

「新しいライバルが加入したことは、僕にとって大きなモチベーションとなっているよ。僕はチャレンジすることが好きなんだ。今の僕はオタメンディが加入したときのヴィニー(ヴァンサン・コンパニ)みたいなものだ。彼のように、新しい選手に負けないよう最大限の努力をしているよ。チームのためにも、自分の価値を証明したい。クリーンシートを達成するにあたり、自分の良さを出すことは大切だ。今はそれで結果も出て、大きな自信となっている。FWの選手はゴールを決めている時ほど良いプレイを見せるけど、DFもそれは同じだ。クリーンシートを達成すればするほど、パフォーマンスは向上する。今の僕はその状態と言えるね」

今夏、マンCはボーンマスからオランダ代表DFネイサン・アケ、ベンフィカからポルトガル代表DFルベン・ディアスという実力派DF2名を補強。いずれも即戦力として期待されているだけに、このままでは自分の立場が危ういと思ったようだ。

正直な話、「もう少し早くその危機感を持っていてくれれば……」なんて思うファンもいるかもしれない。しかし、近い将来の売却も噂されていたなか、なんとかこの時期に一人前になってくれただけでも御の字と言えるだろう。ついに真価を発揮し始めたマンCの26歳。少し遠回しな道のりとなったが、ストーンズはここから一気に評価を高めてくることとなりそうだ。

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