好調ミランに“裏番長”がいた クリア数1位、ブロック数3位のDFリーダー

ミランの守備を支えるケアー photo/Getty Images

ロマニョーリだけが軸ではない

昨季のミランで最も評価されていたセンターバックは、25歳のDFアレッシオ・ロマニョーリだろう。昨季もリーグ戦35試合に出場しており、ミランの最終ラインを統率する若きディフェンスリーダーだ。

しかし今季はどうだろうか。ロマニョーリはイタリア代表にも選出されている優秀なセンターバックだが、怪我もあって5試合の出場に留まっている。

そのロマニョーリの穴を埋め、今季ここまでリーグ戦全試合に出場しているのが31歳のDFシモン・ケアーだ。デンマーク、ドイツ、フランス、トルコ、スペイン、そしてイタリアでプレイしてきた経験豊富なセンターバックは今年1月にセビージャからレンタルでミランに加入。そのパフォーマンスはいきなり高い評価を受けることになり、今夏ミランへ完全移籍を果たした。
今季のミランは、若いチームをまとめるベテランFW=ズラタン・イブラヒモビッチの影響力が賞賛されているが、彼を“番長”とするなら、ケアーはまさに“裏番長”。指揮官ステファノ・ピオリもケアーを信頼しており、ダビデ・カラブリア、ディオゴ・ダロト、テオ・エルナンデスら若いミランのディフェンスラインを後方からまとめる、目立たないながらも重要な役割を担っているのが彼だ。

ドイツ、フランス、スペインなどさまざまなリーグでプレイした経験値は、若いチームに足りないものだ photo/Getty Images

リーグ屈指のスタッツで若いチームを支える

パフォーマンスも見事で、データサイト『WhoScored』によれば今季リーグ戦でのクリア回数は2位冨安健洋(ボローニャ)の37回を抑え、ケアーが38回でリーグトップだ。

さらにシュートブロック数も12回のフィオレンティーナDFニコラ・ミレンコビッチ、9回の冨安に続いて3番目に多い8回を記録している。ケアーは相手の攻撃を跳ね返し続けるミランの番人と呼ぶにふさわしい。

ミランでは昨季後半戦からアカデミー出身の21歳DFマッテオ・ガッビアが頭角を現しており、サポーターからの人気も高い。話題を集める機会はロマニョーリやガッビアのイタリア人センターバックコンビの方が多いかもしれない。

しかしベテランのケアーこそ今のミランに欠かせぬセンターバックである。6カ国ものリーグで腕を磨いてきた彼の経験値が若いスカッドに足りないものをもたらし、首位を走るチームを後方から支えてくれている。最前線では39歳のイブラヒモビッチが奮闘しているが、後方を支える“裏番長”ケアーのことも忘れてはならない。

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