みなさん、J1第17節浦和×川崎戦で家長選手がみせたループパスをみましたか? 山根選手の見事なボレーシュートでの先制点につながったラストパスです。「そこでその選択をするか!」というびっくりするプレイをみせてくれるのが家長選手で、あの選択肢はマネできるものではありません。
たとえプレッシャーを受けていても、トリッキーなヒールパスや相手を欺くフリックでお客さんを魅了し、会場を沸かせてくれます。おそらく、本人はとくに意識することなく、自然にそうしたプレイをやっていると思います。そこがまたすごいところです。
実はボク、家長選手のことがメチャメチャ好きなんです。なぜかというと、同世代(家長選手がひとつ年上)で、中学時代に同じ大会に出ていたこともあるからです。当時のプログラムをみると、G大阪ジュニアユースの選手リストに家長選手の名前があります。一緒にプレイしたり、戦ったりしたことはないですが、身近な存在だったことでなんか親近感があるんですよね。
先日のループパスもそうですが、もうひとつ強烈に印象に残っているプレイがあります。一度シュートしたボールが、弾かれて足元に戻ってきました。FWだったボクの感覚だと、すぐにもう一度バンと強く蹴り返したくなります。実際、多くの選手がそういう選択をすると思います。ところが、そのときの家長選手は逆サイドへ巻きがかかったシュートを放ち、冷静にゴールを決めました。いつの試合で対戦相手はどこだったかは憶えていないのに、あのシュートシーンだけは鮮明に記憶に残っています。
とにかく、落ち着きがハンパない。どんなときもクールで、まわりもみえています。さらには、集中力もある。体幹が強くて接触プレイにも強いです。ちょっと褒めすぎですかね~。いえいえ、そんなことはないでしょう。以前、悠がPKを外して少し自信を失っているときに、「フロンターレのエースはお前だ」と背中を押してくれたそうです。決して前に出る感じではないですが、一歩引いてチームを精神的に支えています。このあたりもカッコいいところです。
とはいえ、ひとつお願いがあります。ぜひ、ハデなゴールパフォーマンスをしてほしいです。ポーカーフェイスの家長選手ですが、きっとはしゃぐこともあるはず。ゴールパフォーマンスで意外な一面をみせてくれることを期待しています!
※電子マガジン「ザ・ワールド」250号 10月15日配信の記事より転載