「なんてことだと思った」
今夏移籍市場において、誰もが羨む大補強を敢行したチェルシー。彼らはMFカイ・ハフェルツやFWティモ・ヴェルナーを筆頭に、GKからFWまでバランスよく実力者を加えることに成功している。2020年夏のマーケットにおける動きはほぼ完璧だった。そんな声も周囲からは聞こえてくる。
しかし、かつてアーセナル などで活躍したポール・マーソン氏は、チェルシーが今移籍市場で一つだけミスを犯したと主張する。同氏が指摘するそのミスというのは、レンタルでアストン・ヴィラへと向かったMFロス・バークリーの放出だ。加入選手について言うことはないが、この中盤戦士だけはチームに残すべきだったと同氏は英『DAILY STAR』に寄稿したコラム内で次のように綴っている。
「なんてことだと思ったね。正直なところ、私は今でもその事実を完全に受け入れることができていないよ。バークリーがチェルシーでプレイしないなんて。彼は非常に才能がある選手なのに……。レンタルするにしたって、同じプレミアのチームへ貸し出すなんてあり得ない。ランパードが彼を手放したことは移籍市場における唯一のミスと言えるね」
「たしかに、チェルシーには多くのMFがいる。しかし、ジョルジーニョとマテオ・コバチッチの2人はバークリーのように前線へ顔を出すことがない。そのプレイスタイルからも、チェルシーはバークリーを手放すべきではなかった。このレンタルには本当にびっくりしたよ。少し視点を変えれば、アストン・ヴィラが見事だったとも言えるけどね」
完全にレギュラー定着とまで行っていなかったが、戦力としてはカウントされる存在だったはずのバークリー。背番号8を継承し、“フランク・ランパードの後継者”とまで言われた男はなぜレンタルされることとなってしまったのだろうか。マーソン氏が指摘するチェルシーが犯した唯一のミス。響くことにならなければいいのだが、はたして。