今季のチェルシーは攻撃陣が躍動した一方で、守備の脆弱性が指摘されてきた。2019-20シーズン、リーグ戦での総得点は「69」なのに対して、総失点は「54」。今夏守備陣のテコ入れは必須との声もあり、その中でも最優先で選手を入れ替えるべきとされるのがGKだ。
今季このポジションを主に任されていたのはスペイン代表GKケパ・アリサバラガ。2018年夏にGK史上最高額となる移籍金7200万ポンドでチェルシーにやってきた同選手だが、今季は不安定さを露呈することとなってしまった。シーズン通してセーブ率は50%近辺。後半戦はウィリー・カバジェロにスタメンを譲る試合も増え、今やその評価はすっかり落ち切ってしまっている。各方面からGK補強の必要性が叫ばれているのも無理はないだろう。
そんなケパの代役として、チェルシーはアヤックスのアンドレ・オナナやアトレティコ・マドリードのヤン・オブラクをリストアップしているとされる。だが、いずれも獲得のハードルは高い。そんな状況の中で、ブルーズは少し意外な候補にも目を向ける可能性もあるか。アーセナルOBのイアン・ライト氏は、今季古巣の窮地を救った守護神に彼らが興味を持つことを恐れていると話す。英『THE Sun』が伝えた。
「私はフランク(・ランパード監督)がエミリアーノ(・マルティネス)をケパの代役にするんじゃないかと恐れているよ。今季彼が披露したパフォーマンスを見れば、ケパより優れているのは明らかだ。言ってしまえば、ベルント(・レノ)より優れているかもしれない。移籍してほしくはないが、ベルントが戻ってきた場合にエミリアーノの立場がどうなるかはわからないんだ。再び2番手に戻るくらいなら、エミリアーノがチェルシーへ移籍してしまう可能性もあると思っているよ」
今季途中に正守護神であるレノが負傷して以降、最後の砦として見事リーグ戦終了までアーセナルのゴールマウスを守り抜いてみせたマルティネス。来季レノが復帰となれば再び第2GKに戻る可能性もあるだけに、チェルシーがその隙をついて彼を攫っていくのではとライト氏は心配しているようだ。その実力は今季証明した上に移籍金も安価。たしかに、チェルシーにとってマルティネスは狙い目の選手か。
いわば移籍市場における“ブランド品”であるオナナやオブラクに対して、低価格で安定したパフォーマンスを披露する“コスパ商品”と言えるマルティネス。はたして今夏、ライト氏の不安が的中することはあるのだろうか。マルティネスの去就に注目が集まる。
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