[粕谷秀樹]ポグバとユナイテッドの関係は今シーズン限り 不調に陥ると気持ちまで萎える

粕谷秀樹のメッタ斬り 030

粕谷秀樹のメッタ斬り 030

ポグバ だけでなく、イブラヒモビッチなど多くのスター選手を顧客にもつ敏腕代理人のライオラ氏 photo/Getty Images

近ごろはSNSでもなしのつぶて

「エージェントの陰に隠れてんじゃねえよ」

ポール・ポグバにはひと言ふた言、文句をぶつけたくもなるよね。

マンチェスター・ユナイテッドのために、シーズンの7割程度でも働いたことある? ないでしょ。あっちが痛い、こっちが痛い。昨年12月27日のニューカッスル戦に出場した後で足首にメスを入れ、ピッチから遠ざかったままだ。その間、なにも発信しない。SNSの投稿で物議をかもすケースも少なくなかったのに、近ごろはなしのつぶてじゃん。
代わってエージェントのミーノ・ライオラが何度も移籍をにおわせたり、オーレ・グンナー・スールシャール監督を口汚く批判したり、マイナスイメージを植えつける。サポーターも怒るよ。「ライオラはクソ野郎」「リスペクトの欠片もないろくでなし」。そんな男の陰でだんまりを決めこんでいるから、ポグバの印象も悪くなるばかりだ。

ユヴェントスから復帰した2016年夏、「故郷に戻れてうれしい」といっていたものの、もはや愛着はなさそうだ。監督とそりが合わなかったり、補強で後れを取ったり、ユナイテッドのプランがポグバの意に添わなかったこともある。でも、気分屋が過ぎはしませんか? 好調時はワールドクラス。不調に陥ると気持ちまで萎え、ボールを奪われても取り返そうとしない。

「シーズンが終わったら握手してサヨナラだ」(ロイ・キーン)
「ライオラみたいな男に操られるとは情けない」(ガリー・ネビル)

レジェンドもすでに見切っている。ポグバとユナイテッドの関係は今シーズン限り、と考えてよさそうだね。

近年、移籍の噂が絶えないポグバ。今夏の去就にも注目が集まっている photo/Getty Images

最後の御奉公でCL出場権を!

「3月8日か9日から、全体練習に復帰する予定だ」

外交辞令なのか、犬猿の仲となったライオラを刺激しているのか、スールシャールがポグバに関して興味深いコメントを発している。ひょっとすると戻ってくるのか、30節のトッテナム戦から復帰するのか。

今シーズン限りで退団するとしても、彼のポテンシャルには惹きつけられる。巧みなボールコントロールで数人のマーカーを手玉に取り、ピンポイントのロングパス。[4-3-3]の中盤インサイドライトがポグバで、左はブルーノ・フェルナンデス。[4-4-2]で中盤はダイヤモンド型。ポグバが左、2トップの後ろにB・フェルナンデス。ふたりの競演が実現すれば楽しいな。

イタリアの『TUTTOSPORT』紙は、「マッシミリアーノ・アッレグリがユナイテッドの監督に就任すればポグバ残留」と報じているけれど、実現の可能性はかなり低い。アッレグリは完成したチームを選ぶ傾向が強いから、ユナイテッドには来たがらないでしょ。マウリシオ・ポチェッティーノが新監督に就任すれば、ポグバみたいに走らない選手は速攻アウト。スールシャールとの関係は皆さんご存知ね。

やっぱり、ポグバは今シーズン限りだ。ならば最後の御奉公。類稀なる才能で、ユナイテッドにチャンピオンズリーグの出場権をプレゼントしてくれないか。このままフェードアウトするのは悲しすぎる。

文/粕谷秀樹

スポーツジャーナリスト。特にプレミアリーグ関連情報には精通している。試合中継やテレビ番組での解説者としてもお馴染みで、独特の視点で繰り出される選手、チームへの評価と切れ味鋭い意見は特筆ものである。

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