今季のリーガ・エスパニョーラは盛り上がりに欠ける。最近ではそんな声も出始めた。激しい首位攻防戦が行われていないわけではない。むしろ首位レアル・マドリードと2位バルセロナの勝ち点差はわずかに「1」。むしろ例年にも増して優勝の行方は予想のしづらいものとなっているのだ。
では、盛り上がりに欠ける理由はどこにあるのか。それは見る者をワクワクさせるような強さを誇っているチームがないからだ。レアルとバルサの優勝争いなど、通常ならこれ以上なく盛り上がりそうなものだが、すでに前者は10試合(8分2敗)、後者は9試合(4分5敗)で勝ち点を落としている。レベルが低いとまでは言わないが、どうしても物足りない印象は残る。
特にバルセロナが思うように勝ち点を伸ばせないことを嘆くファンは多いだろう。昨季優勝クラブは1月に監督交代を決断したものの、いまいち調子が上がらないままだ。キケ・セティエン監督はチームのスタイルをショートパス主体に回帰させたが、その影響で攻撃のダイナミックさを失った試合も散見される。伝統を取り戻させようと招聘した指揮官によって、今度は伝統に縛られる形になってしまったとでも言うべきか。
そんなバルセロナに英『THE Sun』は手厳しい。同メディアはセティエン監督がバルセロナの指揮官として本当にふさわしい人物なのかと疑問を抱いているようで、バルサの選手たちも新たなボスに不満を感じていると主張。1月に行われたリーガ・エスパニョーラ第21節バレンシア戦で、後半にMFアルトゥーロ・ビダルを交代させ敗戦を喫したことを発端に、一部選手の間でセティエン監督の株が急落しているという。
バルセロナに響く不協和音。はたして、この絶体絶命のピンチをセティエン監督は乗り切ることができるのか。61歳の指揮官は伝統あるクラブを率いる難しさを痛感していることだろう。
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