アーセナルに所属するMFメスト・エジルはどこか走らないプレイヤーだと思われがちな面がある。美しいパスで違いを作るクラシカルな司令塔の印象があるだけに、多くの人がそう思うのも無理はないか。しかし、それはあくまでもイメージに過ぎない。ミケル・アルテタ監督が就任して以降、居場所を取り戻したこの天才司令塔は絶え間なくピッチ上を駆け回っているのだ。
その“走らない”というイメージは、周囲の人々の発言によって助長されている面もあるか。現地時間16日に行われたニューカッスル戦後、かつてリヴァプールなどでプレイしたグレアム・スーネス氏はエジルを「ボールを保持できる選手なんだけどね。でも彼がハードワークを行っているかと問われれば、答えはNoだ」と評している。元選手だけに、この発言の影響力はそれなりに大きいだろう。だが、そんな批判はエジルの残しているスタッツを見てから言うべきだと、英『THE Sun』はスーネス氏の発言に反論している。
その根拠として同メディアが提示したのは、エジルがニューカッスル戦で記録したデータだ。この試合における同選手の走行距離は6.67マイル(約10.73km)。これはMFグラニト・ジャカが記録した6.69マイル(約10.77km)に次ぐチーム2位の数字だ。最高時速33.15km/hも、トップとなったFWピエール・エメリク・オバメヤンの33.47km/hにあと一歩のところまで迫っての2位。目立ちこそしないかもしれないが、この司令塔はピッチ上を常に動き回っているのである。
それはこの試合でエジルが奪った3点目のゴールシーンでも見られたはず。長時間ボールをつないで生まれたゴールとなったが、このパスワークの中でエジルは常にポジションを細かく調整。最前線から中盤の底まで顔を出し自身のゴールにつなげてみせた。
そのプレイスタイルや周囲の発言によって実際とは少し違うイメージを持たれがちなエジルだが、その印象が払拭される日は近いか。この天才司令塔は献身性も光るアーセナルになくてはならない存在だ。
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