現在のレアル・マドリードには2人の若きブラジル人FWが所属しているが、今季前半戦にインパクトを残したのは19歳のロドリゴ・ゴエスの方だ。
今年の1月に19歳の誕生日を迎えたばかりのロドリゴは、持ち前のスピードに加えて得点感覚も優れている。数年後にワールドクラスのアタッカーへ成長している姿をサポーターも思い描いているだろう。
そんなロドリゴの登場により、やや影が薄くなっていたのが同じ19歳のブラジル人FWヴィニシウス・ジュニオールだ。昨季サンティアゴ・ソラーリの信頼を勝ち取ったところまでは見事だったのだが、今季前半戦は序列争いでロドリゴにリードを許した。ヴィニシウスにとっては苦い時間となったに違いない。
しかし、このまま負けるわけにはいかない。スペイン『MARCA』によると、ヴィニシウスは指揮官ジネディーヌ・ジダンの個別練習を受けて弱点の改善に取り組んでいるというのだ。
ヴィニシウスの弱点とは、フィニッシュと守備だ。サイドから仕掛けるドリブルの威力は見事だが、得点力が物足りない。ワールドクラスのタレントになるには得点力の部分を磨くしかないのだ。
同メディアのデータでは、これまでヴィニシウスはレアルで52試合に出場して計120本のシュートを打っている。カットインからシュートに持ち込むところまではスムーズにこなせるのだが、得点数は7点とやや物足りない。決定率は5.8%と寂しい数字となっており、今はここの改善に取り組んでいるわけだ。
そう簡単に改善できるものではないが、先月29日に行われたスペイン国王杯・ベスト16のレアル・サラゴサ戦では得点を記録。同メディアもトレーニングの効果が少しずつ出てきているのではないかとポジティブに捉えている。
また守備面に関しても、ヴィニシウスは1日に行われたアトレティコ・マドリード戦で献身的な動きを披露。後半から出場し、試合終了まで必死に相手を追いかけていた姿は印象的だった。守備は意識だけでも変わるところがあり、欧州トップレベルで通用するアタッカーになるには守備面も伸ばしていかなければならない。
ロドリゴに少し差をつけられた前半戦だったかもしれないが、ヴィニシウスもまだまだ伸びる選手だ。攻守の切り替えを徹底し、フィニッシュの精度を上げていく。ジダンとのトレーニングは貴重な財産となるはずで、得点力のあるサイドアタッカーへと成長していきたいところだ。
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