ルヴァン杯決勝“衝撃の舞台裏” 札幌の選手は主審に谷口退場の撤回を求めていた!?

VARにより、荒木主審は谷口にレッドカードを提示した photo/Getty Images

11対11でやりましょうよ

Jリーグは25日、YouTubeの公式チャンネルにて、近年稀れに見る激闘を繰り広げた2019 JリーグYBCルヴァンカップ・決勝の回顧録を公開。北海道コンサドーレ札幌と川崎フロンターレが、10月26日にプライドをかけて闘ったこの一戦の衝撃の舞台裏が明らかとなった。

この回顧録は、ルヴァン杯・決勝でターニングポイントとなったシーンを切り取り、実際にピッチに立っていた選手、監督や審判員に当時の心境や考えを後のインタビューで語ってもらう構成となっている。両チームのゴールシーンなどいくつかのシーンが取り上げられ、選手たちが様々な想いを語っていた。そんな中でも特に印象的だったのが、この試合で最も大きなターニングポイントと言っても過言ではない川崎DF谷口彰悟が96分に退場したシーンだ。

ドリブル突破を仕掛けたチャナティップを止めに入った谷口が、ペナルティエリア右手前でファウルを取られる。主審を務めていた荒木友輔氏は当初、谷口に対してイエローカードを提示した。しかし、その後VARをチェックすると、『DOGSO』に当てはまると判断し、改めてレッドカードを提示したのだ。多くの選手が荒木主審に詰め寄っていたが、何名かの札幌の選手がこの時、信じられないような発言をしていたという。
谷口の退場は、数的優位となる札幌にとって願ってもない状況だ。しかし、深井一希や荒野拓馬、福森晃斗らは審判へ「ここは退場にしなくてもいいんじゃないですか」と伝えていたようだ。荒木主審も当時のことを「深井選手が僕のところに寄ってきて、『あのー、荒木さん。これはいい試合だからレッドカードじゃなくていいんじゃないか。11対11でやりましょうよ』という話をされた。僕ら審判団としては、競技規則を使って運営していかなければならないので、僕の勝手は判断はできない。ここは退場という判断をさせていただきました」と振り返っている。

疲労困憊の延長戦、優勝へ向けて少しでも有利な状況を願う中で、最後まで正々堂々と闘うためにこのような発言をできる選手はなかなかいないのではないだろうか。最終的にPK戦で敗れることとなってしまったが、札幌の選手たちの精神に感服だ。なお、この回顧録ではイエローカードからレッドカードに変更されるまでの主審とVAR担当員とのやりとりなども公開されている。


参照元:YouTubeのJリーグ公式チャンネルより

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