すべてはサッカーのために プロ意識高すぎるレアルの“潰し屋”

レアルの中盤に君臨するカゼミロ photo/Getty Images

「サッカーは90分だけじゃない」

レアル・マドリードの中盤を支配するブラジル代表MFカゼミロ。同選手は白い巨人にとって必要不可欠な存在だ。代名詞となっている強烈なタックルで相手の進撃を阻み、ピンチとあらばピッチ上のどこへでも顔を出す。レアルのスターたちが自身の爆発的な攻撃力を生かすことができるのは、彼のおかげと言っても過言ではないだろう。レアルを中盤の底から支えるこの潰し屋には各方面から称賛の声が上がっている。

しかし、カゼミロが称賛に値するのはそのプレイだけではないとスペイン『EL PAIS』が主張している。彼は自身の健康管理も超一流なのだ。カゼミロはピッチ上で過ごす以外の時間でも、そのほとんどをサッカーのために費やしているという。同メディアは、練習日におけるカゼミロの一日のスケジュールを大まかに紹介している。

カゼミロが練習場に姿を現すのは全体練習が始まる1時間以上前。主力選手であるにもかかわらず、チーム内で誰よりも早くトレーニング施設にやって来るのだ。到着すると、ジムで体を動かしてから全体練習に入る。それを終えた後はマッサージを入念に受け、これまたチーム内で誰よりも遅く練習場を後にする。そして、これだけでは終わらない。同選手は帰宅したのちも自宅のジム施設でトレーニングを行い、一通りのメニューをこなしてから高気圧治療装置内で昼寝。これには血流の酸素濃度を高め、肉体の疲労回復などを早める効果があるという。なんともストイックな1日だ。
さらには食事も常にアスリート仕様。食卓に並ぶのは専ら鶏肉やサラダ、オレンジジュースといったものばかり。同選手が大好きだという“フェジョアーダ(ブラジルの国民料理:塩漬けの豚肉にオレンジを添えてキャッサバ粉をまぶしたもの)”も最近はほとんど口にしていないようだ。

加えて、長距離遠征で時差ボケになった際には眠らない代わりにサッカーの映像を見て自身のプレイをチェック。その間も、両足は筋肉の疲労回復用に設計されたブーツの中にあるというのだから驚きだ。

激しい寄せはカゼミロの持ち味の一つだ photo/Getty Images

「サッカーは90分だけじゃない」。同メディアがカゼミロにこの生活について訊いたところ、彼はこう答えたという。ピッチを離れてもサッカーを続けている。彼の素晴らしいプロ根性が込められた言葉と言えるだろう。その意識の高さはチーム内にも伝染しつつあるようで、今季加入した同じブラジル代表のFWロドリゴ・ゴエスはこの先輩の姿勢にインスピレーションを受けたと語っている。

「カゼミロは真のリーダーだよ。彼はブラジル人選手が怠け者だというイメージを変えたと思う。いつも僕に『ジムへ行こう』、『マッサージへ行こう』、『練習しよう』って誘ってくるんだ。僕に素晴らしいインスピレーションを与えてくれているよ」

ロドリゴのブレイクはカゼミロが貢献した部分も少しあるのかもしれない。若手にとって、同選手は良き手本となっているのは間違いない。

この意識の高さについて、「僕の身体に対するメンテナンスは意識は病的だね」と自虐気味に語っているカゼミロ。だが、彼が激しいプレイを披露しながらもほとんど離脱しないのはこういった努力あってこそのものだろう。レアルの“潰し屋”はさらなる高みを目指すために労を惜しまない。

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