さて、トッテナムの新監督にジョゼ・モウリーニョが就任したものだから、みんな大騒ぎしている。相変わらずの人気だ。おいおい、ちょいと待っとくれ。新監督の話題ばかりじゃなく、ポチェッティーノの就職先も探った方がよくはないか。
レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダンは求心力が低下している。ナポリを率いるカルロ・アンチェロッティの立場も危うく、ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャールはつねに危険と隣り合せだ。3チームとも、ポチェッティーノを次期監督にリストアップしている公算大ね。
ここで問題になるのは、トッテナムを解雇されたとき、どのような条件を提示されていたかなんだな。契約は4年半以上も残っていたので、ポチェッティーノには違約金が支払われる。ヘスス・ペレス、ミゲル・ダゴスティーノ、トニ・ヒメネスといったコーチングスタッフの分も含め、30億円前後の出費になるようだ。
その代償として、国内外を問わず、2020年7月1日までは他クラブと契約してはならない。あるいは、今後1年間はプレミアリーグの監督に就任してはならない……みたいな縛りも考えられる。
レヴィ会長が、契約でポチェッティーノをブロックしていたとしても不思議ではないし、企業防衛の手段としては当然じゃん。この人の力量はだれよりも分かっているから、とくに国内のライバルには渡さないでしょ。あっ、どこかのだれかさんがバカげた額のカネを支払い、契約を無効にした場合はまた別の話ね。
113勝43分46敗/勝点382/勝率55・9%。プレミアリーグ通算のデータを踏まえても、ポチェッティーノは引く数多だ。色よいオファーも届いているだろう。でも、焦っちゃダメだ。ビッグクラブのエゴってハンパじゃないからね。現場復帰は、就職先の内情を十分に調査してからでも遅くないよ。
文/粕谷秀樹
スポーツジャーナリスト。特にプレミアリーグ関連情報には精通している。試合中継やテレビ番組での解説者としてもお馴染みで、独特の視点で繰り出される選手、チームへの評価と切れ味鋭い意見は特筆ものである。
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