ローマで調子を取り戻しつつある“天才MF” 昨季の汚名返上へ 

ローマで2年目のシーズンを迎えたパストーレ photo/Getty Images

ブーイングを拍手に変える

ASローマに所属する元アルゼンチン代表MFハビエル・パストーレが、復調のキッカケなどを明かしている。

華麗なテクニックや創造性溢れるプレイでこれまで多くのファンを魅了し、20歳でアルゼンチン代表デビューを果たすなど天才と呼ばれてきた現在30歳のパストーレ。昨夏の移籍市場で、大きな期待を背負ってパリ・サンジェルマンからローマへ移籍した。しかし、昨季も近年悩まされてきた細かい怪我などに苦しめられ、なかなか調子が上がらず、新天地のイタリアで大苦戦。公式戦14試合の出場(4ゴール1アシスト)にとどまっていた。こういった状況もあり、SNSなどでローマファンから厳しいコメントが浴びせられていた。

クラブの公式サイトのインタビューに応じたパストーレは、苦しいシーズンを送った昨季を次のように振り返っている。
「すべてが順調に行き、僕はここでプレイすることにとても興奮していたよ。でも残念ながら、僕はすぐに何名かいた負傷者の後を追うことになってしまった……。シーズン最初の(ローマ)ダービーで怪我をすることになってしまったんだ。そして、監督からの信頼を失ってしまった。ピッチに出る選手として相応しくなかったからね。フィジカルコンディションがよくなく、トレーニングのペースもうまくコントロールできず、体力を向上することができなかったんだ。あまり試合に出ることができなかったし、個人的にも、サッカー選手としても簡単な年ではなかったね」

ただ、今季はここまで公式戦10試合に出場しており、10月中旬から主にトップ下として公式戦5試合連続でスタメンに抜擢されるなど、徐々に本来の調子を取り戻しつつある。10月30日に行われた第10節ウディネーゼ戦では、30メートル近くドリブルで持ち込み、華麗なスルーパスでジャスティン・クライファートのゴールをアシストしていた。復調のきっかけはパウロ・フォンセカ監督や今夏のプレシーズンにあったようだ。

「昨季はうまくやることができなかったのを僕は理解している。だから、昨季ことでフラストレーションをためたり、新たな監督やスタッフのもとでそれらのパフォーマンスの影響を受けたりしたくなかった。ただ、監督は常にオープンで、僕への信頼を示してくれたよ。100%でトレーニングするために、これまでのことを忘れてくれとも頼んできたね。彼らはうまく状況をコントロールしてくれた」

「プレシーズン中に、僕は監督や彼のスタッフたちとたくさん話したよ。すべてのフレンドリーマッチでプレイすることができたので、フィジカルを素早く上げることができた。ただ、怪我ではなかったんだけど、1週間だけ(フレンドリーマッチを)休むことがあった。毎日2部練習を行なっていたから、少しだけ回復できるように頼んだんだ。この期間中にポジションを獲得できる可能性があることを知っていたし、プレイする機会を失うことでリスクになることも理解していた。でも、監督はこの申し出を受け入れ、「今週はトレーニングに励むんだ。開幕戦への準備が必要だからね」と言ってくれた。たった数分で、適切なスピードで進むことを許してくれたんだ。おかげで、今ではフィジカル面は以前のように感じることができているよ」

これまでピッチを去る際にはファンからのブーイングを浴びていたパストーレだが、最近の試合ではそれを拍手に変えて見せた。

「僕はプレイしたすべてのチームでブーイングを浴びてきたが、それと同じくらい応援もされてきた。これが僕がプレイする理由さ。コンディションがよくてうまくプレイすることができれば、たくさんチームに貢献することができる。フィジカルがそうでなければ、ベストを尽くすことはできない。時々ブーイングに感謝することもあるんだよ。物事が順調に進んでいるときははっきりしているが、悪くなったときはファンからの反応が必要。ブーイングは僕にちょっとした刺激を与えてくれるんだ」

天才パストーレは今季こそ輝きを放ち、昨季の汚名を返上することができるのか。今後の活躍にも注目が集まる。

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