昨季までレヴァークーゼンの主力選手として君臨し、今夏にドルトムントに加わったFWユリアン・ブラント(23歳)。8季ぶりの国内リーグ制覇を狙うドルトムントの大型補強の目玉として注目されていたものの、今季のブンデスリーガ第9節終了時点で1得点に留まっている。
幸先の良いスタートを切ったとは言い難い同選手について口を開いたのが、かつて浦和レッズのFWとして活躍し、ドルトムントのOBでもあるミヒャエル・ルンメニゲ氏(55歳)。独『WDR2』のインタビューに応じた同氏は直近のブンデスリーガ5試合で1勝に留まっている同クラブの現状を嘆いたうえで、10月23日に行われたUEFAチャンピオンズリーグのグループステージ第3節(インテル戦)における同選手のパフォーマンスを酷評した。
「私たちのドルトムントは目覚める必要がある。現状はあまりにも詰めが甘すぎるし、何も具現化されていない。通常、私は一人の選手を槍玉にあげることはしないが、インテル戦でのブラントはフィジカルコンタクトや積極性に乏しく、Cユースの選手のようだった」
インテル戦では[3-4-2-1]という布陣のワントップで起用されたブラント。戦前にインフルエンザを患ったマルコ・ロイス、及びコンディション不良により先発メンバーから外れたパコ・アルカセルやマリオ・ゲッツェの代役として期待されていたものの、インテルが誇る強力3バック(ディエゴ・ゴディン、ミラン・シュクリニアル、ステファン・デ・フライ)による素早い寄せに苦戦。バイタルエリアのスペースも消されていた状況下でブラントは効果的なプレイができず、チームも0-2で敗れた。
相手の最終ラインとボランチに挟まれた際に次のプレイへの決断が遅れ、自軍の攻撃を停滞させてしまう場面が今シーズン序盤で散見されていた同選手だが、10月30日に行われたDFBポカール2回戦(ボルシアMG戦)では2ゴールと躍動。77分に鋭いカットインからミドルシュートを突き刺してスコアを1-1のタイに戻すと、80分には敵陣ペナルティアーク手前の密集地帯でボールを捌いた後に素早くペナルティエリアへ侵入し、技ありのヘディングシュートでチームを逆転勝利に導いている。オフ・ザ・ボールの動きに磨きがかかり、味方との連係も噛み合い始めた同選手だが、新天地ドルトムントで不動の地位を確立し、クラブOBからの低評価を覆すことができるだろうか。
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