エデン・アザールの後継者候補として5800万ポンドもの移籍金でチェルシーにやってきたアメリカ代表MFクリスティアン・プリシッチ 。今季開幕前から期待は大きかったのだが、現在の状況は想像していたものと大きく異なっている。
想定外だったのは、ダービー・カウンティから戻ってきたMFメイソン・マウントのブレイクだ。マウントは今季早くもリーグ戦4得点を記録しており、すっかりポジションを確保してしまった。ダービーで指揮官フランク・ランパードと仕事をしていたことも大きなアドバンテージとなっており、プリシッチにとっては厄介なライバルだ。ベテランのウィリアン、怪我から戻ってきた18歳のカラム・ハドソン・オドイも評価は高く、プリシッチにとっては難しいイングランド生活のスタートとなってしまった。
米『Bleacher Report』もプリシッチが今後何をしていけばいいのかと取り上げているが、ポイントは得点数だろう。プリシッチはテクニックの高い選手だが、ドルトムント時代から得点を量産するような選手ではなかった。ライバルのマウントはすでに今季4得点を記録しているが、プリシッチは昨季ブンデスリーガで20試合に出場して4得点、その前の2017-18シーズンは32試合に出場して同じ4得点だった。得点ペースでは明らかにマウントが上だ。決定力を上げていくことがプリシッチにとっての課題となるだろう。
また、ピッチ外でもチームメイトたちと理解を深めていく必要がある。チェルシーDFエメルソン・パルミエリは、プリシッチを静かな男だと表現している。テクニックの高さは認めているが、ピッチ外でも積極的にコミュニケーションを取っていくべきなのかもしれない。
「プリシッチは静かな人だよ。クラブに来たばかりで普通のことだと思うし、時間が経てばもっとオープンになると信じている。彼は優れたテクニックを見せているし、トレーニングでも両足が使えることを証明している。狭いスペースでも非常に速くドリブルできるしね。彼の持つテクニックはプレミアリーグで最大の強みになると思う。両方のサイドでドリブルできるし、1対1では非常に危険だ。この強みを活かしてプレミアリーグのDFを突破し、僕たちを助けてくれると信じているよ」
時間が経てばリーグの環境にも慣れ、チームメイトとの連携も深まってくるはずだ。まずは与えられたチャンスを活かしたいところだが、前半戦の間にポジションを確保できるだろうか。サポーターもプリシッチが真のアザールの後継者となる時を待っている。
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