川崎に新たな逸材が!? 指揮官も太鼓判を押す20歳の生え抜きMF田中碧

先制点をアシストするなど、攻守にわたり貢献した田中碧 photo/Getty Images

神奈川ダービーで急遽先発も存在感

川崎フロンターレで25番のユニフォームを身にまとう弱冠20歳のMF田中碧。昨年9月にJリーグデビューを果たしたばかりで、まだJ1で4試合にしか出場したことのなかったこの若武者が、横浜F・マリノスとの神奈川ダービーで堂々としたパフォーマンスを披露した。

10日に行われた明治安田生命J1リーグで、横浜FMの本拠地へ乗り込んだ川崎(2-2のドロー)。この一戦でスタメン出場する予定だったMF大島僚太にアクシデントが襲い、急遽代役に抜擢されたのが田中だ。試合後のインタビューに応じた同選手は、試合前のことを「アップが終わって、エンジンが終わった後に出ることを伝えられた」と明かしつつ「難しかったですけど、自分としてはやるべきことをやるだけ。自分の100%を出すことしか考えていなかった」と語った。

チームの指揮官を務める鬼木達監督も記者会見で「トレーニングのときから、ずっと安定して力を出してくれている。常にボールを取れますし、配球もできますし、いつ出てもおかしくない選手。自信を持って使うことができた」とコメント。今季初スタメンではあったが、指揮官も太鼓判を押しており、自信を持ってピッチへ送り出したという。

その期待に応えるかのように、田中はこの試合ですぐさま結果を残してみせた。キックオフ直後の4分、高い位置で相手のパスミスを拾うと、DFの裏へ走り出していたレアンドロ・ダミアンへ絶妙なスルーパスを通す。これをL・ダミアンが落ちいて決め、川崎が先制点を奪った。田中は先制点のシーンを「チームの狙い通り。前から行くのを練習からやっていたので、そういった意味では、しっかり奪って縦に早く展開して点を取れたのはよかったと思う」と振り返っており、ゴールを決めたL・ダミアンも「フロンターレの育成選手で初先発だったアオが、あれだけの良いパフォーマンスを披露していた。ゴールシーンにおいても、いいパスを出してくれた。彼が活躍してくれたことが本当に嬉しい」と田中へ賛辞を送っている。

横浜FMの攻撃のキーマンであり、この試合でマッチアップすることが多かったMF天野純に中央で思うようなプレイをさせないなど、その後は守備でも随所に存在感を発揮した田中。天野について「左足のキックだったり、そういうので違いを作り出してくる選手。なので、自由にボールを持たせないことだったり、シュートやクロスをあげさせないことを意識していた」と話しつつ「前回出たとき(ゼロックス・スーパー杯)よりは、だいぶやれることも増えてきたし、落ち着いてプレイできるようにもなってきた。だから、もっともっと違いを作り出さなければならない。まだまだやれることはたくさんあるのかなと思う」とこの日の出来を総括した。

鬼木監督は試合後、田中について「よくやった」と述べており、高く評価していた。ただ、指揮官や周りの評価とは裏腹に、同選手に笑顔はない。むしろ、インタビューでは終始うつむき加減で、悔しさをにじませていた。なぜなら、ラストワンプレイで横浜FMに同点弾を許した際、ゴールを決めたMF扇原貴宏をマークしていたのが彼だったからだ。「最後やられてしまったので、正直なんとも言えない。あれがなければ勝てましたし、自分の責任だと感じている」や「期待に応えれなかった自分に不甲斐なさを感じている。そこは次に試合に出たときに結果を残して、取り返したいなと思う」と口にしている。

最後の失点に絡んでしまったものの、終始安定したパフォーマンスを披露した田中。大島の状況次第では出場機会がさらに増えそうだが、今後の成長に期待だ。また、この試合はA代表と五輪代表を兼任する森保一監督も視察に訪れていた。これまで五輪代表の招集経験はないものの、東京オリンピックへ向けていいアピールになったのではないだろうか。

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