ペップよりバルサに詳しかった男? ”奇才”が明かす異様なまでの分析術

リーズを指揮するビエルサ photo/Getty Images

ダービーへのスパイ問題で揺れる

対戦相手のことを分析するのは当然の作業だが、リーズ・ユナイテッドを指揮するマルセロ・ビエルサの分析は異常なレベルに達しているようだ。

リーズは先日フランク・ランパード率いるダービー・カウンティのトレーニングにスパイを送り込んでいたことが問題視され、ビエルサはこれが自身の指示だと認めていた。16日にはスパイ行為について会見で釈明したのだが、ビエルサはそれ以上に詳しいスカウティングをしていることを明らかにしたのだ。

会見で分析術を披露されるとは予想していなかったのだろうか。英『FourFourtwo』は「ビエルサは対戦相手へのスパイ行為について認めたが、これはゲームへの準備においてほんの些細なことだったようだ」と伝えている。ビエルサはリーズの対戦相手となるプレミア・チャンピオンシップ(イングランド2部)の全チームの戦いを事細かにチェックしているというのだ。
「我々は2018-19シーズンの各クラブの戦いを全て見ている。ダービー・カウンティのゲームは51試合見た。彼らはシーズンの49.9%を4-3-3のシステムで戦っていた。ゲーム中のいつ、なぜシステムを変えるのかも理解する。各ゲームの分析には4時間をかける。なぜこんなことをするのか?それがプロフェッショナルの姿勢だと思うからだ」

ビエルサはこのように語っており、この徹底的な分析こそリーズが首位を走っている理由なのだろう。対戦相手もリーズとビエルサを恐れているに違いない。この手法はアスレティック・ビルバオを指揮していた頃にもやっていたようで、当時バルセロナを指揮していたジョゼップ・グアルディオラにも驚かれたという。

「ビルバオを指揮している時、スペイン国王杯ファイナルでバルセロナに0-3で敗れた。試合後に私はバルセロナについて私が持っている情報全てをグアルディオラに見せたんだ。それを見たグアルディオラは言ったよ。私よりバルセロナのことに詳しいとね。そうした分析は不安を和らげることになるが、あの時は彼らが3点奪ったから意味はなかったがね」

ビエルサは奇才と呼ばれる指揮官だが、今回の会見にも驚いた人が多かったようだ。スパイ行為は認められるものではないが、徹底した分析から試合への準備を進める姿勢がリーズの首位に繋がっているのは間違いない。

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