クロップはリヴァプールで十分な働きができているのか? ロジャースと同じ勝利数に疑問も

リヴァプールを率いるクロップ photo/Getty Images

トップ4入りだけでは不十分

リヴァプールを指揮するユルゲン・クロップは、ドルトムントでブンデスリーガ連覇やチャンピオンズリーグ決勝進出など数々の結果を出してきたことから名将と評価されている。2015年夏にリヴァプールがクロップ招聘を発表した時も、サポーターは大いに盛り上がった。しかし、ここまで期待通りに進んでいると言えるのだろうか。

クロップはリヴァプールの指揮官就任から135試合を戦い、70勝を記録している。英『Daily Mirror』によると、現時点での70勝は前指揮官ブレンダン・ロジャースと同じ数字だという。ロジャースは2013-14シーズンにチームを優勝まであと1歩の2位まで導いたが、ルイス・スアレスとラヒーム・スターリング、ダニエル・スタリッジのトリオに頼っただけのサッカーと批判的な意見もあった。しかしクロップとほとんど成績は変わらず、ロジャーズだけが批判されるのもフェアではないだろう。

同メディアもクロップに大きな期待がかかっていると伝えており、ここまでの成績を十分なものとは評価していない。昨季はチームをトップ4に食い込ませたが、サポーターが求めているのはリーグ制覇だ。結局タイトルは2012年のリーグカップ以降1度も獲得できていない。今季も可能性があるのはチャンピオンズリーグのみと考えられ、こちらも達成は非常に困難だ。
しかもクラブもクロップの理想を叶えるべく多額の資金を市場に投じている。フィリペ・コウチーニョをバルセロナに引き抜かれるアクシデントはあったものの、今冬には7500万ポンドもの移籍金でDFフィルジル・ファン・ダイクを獲得。さらに今季終了後にはライプツィヒからMFナビ・ケイタも合流する予定で、恐らくはコウチーニョの売却益を使ってさらなる補強に動くだろう。

そうなれば、もうトップ4入りだけでは十分な成績とは言えなくなる。選手の質などを考えてもマンチェスター勢やチェルシーと同じくリーグ制覇が義務付けられたクラブの枠に入れてもいいだろう。クラブとクロップは2016年に異例とも言える2022年までの長期契約を結んでおり、ロジャースとは待遇に大きな差がある。リーグ制覇はクロップが確実に達成しなければならないミッションだが、2022年までにサポーターに真の歓喜を届けることはできるだろうか。

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