今季開幕前にロベルト・マンチーニに代わって急遽インテルの指揮官に就任したフランク・デ・ブールは、思うような結果を残せず僅か85日で解任されてしまった。デ・ブールの就任が開幕直前の8月上旬だったため、準備期間が不足していたことは不運だった。
しかし、問題はデ・ブールが短い準備期間でチームスタイルを変えようとしたことにある。デ・ブールはアヤックスで指導者としてエールディヴィジを4連覇しており、オランダでの実績は十分だった。しかしアヤックス、あるいは現役時代にプレイしたバルセロナでのスタイルにこだわりすぎるところがあり、それをインテルでも実現しようとした。ところがスタイルを大きく変えるには時間が足りなかった。
そのデ・ブールは現在プレミアリーグのクリスタル・パレスの指揮官に就任する可能性が高まっているのだが、英『Daily Mail』によるとクリスタル・パレスでもアヤックスやバルセロナと同じポゼッションを軸とした攻撃的なサッカーを展開しようと考えているという。今回はインテルの時よりも準備に時間をかけられるが、今季クリスタル・パレスを率いていたのはロングボールが多いと指摘されるサム・アラダイスだ。デ・ブールの考えているサッカーとはタイプが異なるため、選手たちがいきなりそのスタイルに適応できるかは微妙なところだ。
母国オランダで結果を出したデ・ブールとしては国外でも自身の実力をアピールしていきたいところだが、就任が近いと言われるクリスタル・パレスでは結果を残せるのか。インテルでの経験で学んだことはあるはずで、それを活かすことが求められている。