守備的MFのゴールが増えているのは新トレンド? より自由に攻撃参加できるようになったMFは深い守備を崩すための切り札か

リヴァプールのグラフェンベルフ Photo/Getty Images

役割が変わりつつある

プレミアリーグ第6節、トッテナムとウォルバーハンプトンのゲームは1-1のドローで決着した。後半アディショナルタイムまで1点のビハインドを負っていたトッテナムだったが、MFジョアン・パリーニャのペナルティエリア手前からのコントロールショットによって同点とし、敗戦を回避した。

パリーニャに限らず、今季のプレミアリーグでは守備的MFの選手によるゴールが増加傾向にある。リヴァプールのライアン・グラフェンベルフはニューカッスル戦、エヴァートン戦で先制ゴールを記録。アーセナルのマルティン・スビメンディもノッティンガム・フォレスト戦で2ゴールを記録した。チェルシーのモイセス・カイセドもウェストハム戦とブレントフォード戦で計2ゴールを決めている。

『The Athletic』は、こうした傾向に注目している。“アンカー”というポジション名が示すように、かつてはボール保持時でも自陣からあまり出ることがなかった守備的MFたちが、積極的に攻撃参加するようになっている。サッカーがよりダイナミックになり、守備的MFの役割はより機動力のあるものに再解釈されていると同メディアは指摘している。

「今では前線でしっかりと相手を追跡し、押し上げ、アグレッシブにプレイすることがますます求められるようになっている。これらの選手の多くは、グラフェンベルフがその好例だが、より前の位置からこれらの役割にコンバートされてきた。彼らは単なる守備的MFに期待される以上の攻撃スキルを持ち、それを惜しみなく発揮する。これは特に、深く守られた守備を崩すのに有効で、相手が予想しない位置からの突発的な攻撃を仕掛けることができる」

深く守備ブロックを敷く相手を攻略する場合、アタッカーや攻撃的MFだけではブロックを崩すのが難しくなる。重要になってくるのはそこに加わる「3人目の動き」で、相手のマークを混乱させ狭いスペースに入り込むことを可能にする。アーセナルのスビメンディも、後ろからパスをさばくだけでなくこのような動きをたびたび見せている。守備的MFの積極的な攻撃参加は一種のトレンドと言えるかもしれない。

同メディアは、アンカーやホールディングMF、シッティングMFといった用語は現在においては不適切になりつつあると指摘した。時代にあわせて各ポジションの役割も変わるものだが、現在はより攻撃力が求められる時代となりつつあるようだ。

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