アーセナルでもシティでもない プレミアリーグでアカデミー出身者をもっとも多く擁するのは?

アカデミー出身のスターであるサカ Photo/Getty Images

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もっとも多いのはチェルシーだ

近年は移籍市場での選手の価格が大幅に上昇しており、もはや1億ポンドに達する移籍も珍しくなくなった。移籍市場が開くたびにクラブは資金繰りに四苦八苦するが、資金をあまりかけずに戦力をアップさせる方法もある。自クラブのアカデミー卒業生を登用することだ。

英『GIVEMESPORT』は、プレミアリーグの20クラブのなかで、トップチームにアカデミー出身者をどれだけ抱えているか、そしてその選手の市場価値がどれだけあるかランクづけをしている。

20位ボーンマスから17位ノッティンガム・フォレストは、トップチームに1人しか在籍していない。16位エヴァートン、15位アストン・ヴィラは2人。14位トッテナムから10位ニューカッスルまでが3人となっている。
9位ブライトンは5人だが、ルイス・ダンク、ジャック・ヒンシェルウッド、ソリー・マーチらが名を連ねており、スタメン級をしっかりと育てあげ出場させていることがわかる。8位アーセナルも5人。下部組織の育成に定評があるだけに意外な順位だが、多くを売ってしまっているということか。しかしブカヨ・サカを筆頭にイーサン・ヌワネリ、そしてマイルズ・ルイス・スケリーと実力者が次々とトップチーム登録されているのはさすがで、これからここにマックス・ダウマンの名前も入ってくることになりそうだ。

7位リーズ、6位クリスタル・パレスが6人。5位ウェストハム、4位マンチェスター・ユナイテッド、3位マンチェスター・シティが7人だ。ユナイテッドではエリック・テン・ハーグ体制でコビー・メイヌーやアレハンドロ・ガルナチョが主力として登用された。シティは今夏獲得のジェイムズ・トラフォードも含んでおり、なにより最大のアカデミースターであるフィル・フォーデンを生んでいるのが大きい。

2位と1位は同数の8人で、市場価値の差で2位がリヴァプールとなっている。カーティス・ジョーンズ、ステファン・バイチェティッチ、コナー・ブラッドリーらが名を連ねるが、今夏ジャレル・クアンサーを売却していなければ1位はリヴァプールだった。そして1位はチェルシーとなっている。

リース・ジェイムズという象徴的な選手がおり、ジョシュ・アシャンポンという期待の若手もいる。そしてアカデミー出身のジェイミー・バイノー・ギッテンスを買い戻した。チェルシーは多くの若手をローンに出すことで成長を促しているが、若手を他クラブから青田買いすることも多く、アカデミー卒業生が競争のなかで振り落とされることも珍しくない。今季もアルフィー・ギルクリストやティリク・ジョージ、そしてアルマンド・ブロヤの将来が不透明で、1カ月後に同じ統計をとった場合に1位になっているかはわからない。

アカデミースターたちをいかに戦力に組み込むか、あるいはいかに高値で売るか。どちらもクラブの戦力アップの鍵となるが、サカやフォーデンのような生え抜きのスーパースターはサポーターからの支持が篤く、人数の多さだけでなく彼らのような存在を生み出すこともクラブの重要なミッションとなる。


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