マンチェスター・ユナイテッドの移籍市場での動きが鈍い。リヴァプール、アーセナルらは次々と新戦力獲得にこぎつけているが、マンUが獲得できた選手で即戦力といえるのはFWマテウス・クーニャのみだ。
しかし問題は買う方でなく、むしろ売る方だ。ルベン・アモリム監督に構想外を言い渡された5人の選手がトップチームを離れ、別トレーニングを行なっている。その5人とはマーカス・ラッシュフォード、アレハンドロ・ガルナチョ、タイレル・マラシア、アントニー、ジェイドン・サンチョだ。
マンUはこの5人を売却しなければならないが、問題なのは別トレーニングが公になっていることでむしろ移籍から遠ざかっているふしがあることだ。構想外となっている選手を高額で買いたいという物好きなクラブはそうそうなく、価格が下がるのを期待して様子を見られているという状況を『Daily Mail』も報じている。結果として売却は一向に進まず、それは買う方にも支障が出ることを意味する。
ガルナチョはもっとも顕著な例かもしれない。評価額は7000万ポンドともいわれるが、アストン・ヴィラ、チェルシー、トッテナムら獲得に興味を持っているクラブは価格が下がるまで慎重に構えているという。ナポリほか国外からの関心もあるようだが、ガルナチョは国内移籍を望んでいるという。状況が噛み合っておらず、売却には辛抱が必要と思われる。
10番を奪われたラッシュフォードにはバルセロナ移籍の噂があるが、具体的な動きはまだ見られない。リヴァプールがリストアップしたとの報道もあったが、両クラブの関係性を考えてもこれはないだろう。ラッシュフォードもまだまだ移籍から遠いところにいるようだ。
サンチョの価格は下落したと伝えられている。『FOOTBALL ITALIA』によれば、移籍のためにはより低い価格で交渉する以外に選択肢はないという。ユヴェントスがサンチョに興味を示したとの報道もあるが、提示される移籍金は1300万ポンド程度となっているようだ。しかしそれでもサンチョは移籍に意欲的で、5人のなかではもっとも脱出に近いかもしれない。
アントニーは昨季レアル・ベティスにローン移籍し、本来の姿を取り戻した。ベティスは獲得に興味があるようだが、要求される移籍金の額、およびマンUがローンではなく完全移籍を望んでいることから交渉は行き詰まっているという。しかし欲しているクラブがあるだけ状況はマシといえ、金額を妥協することで道は開けるかもしれない。マラシアに興味を示すクラブは今のところないようだ。
いずれにせよ、5人を別トレーニングとしたことで足元を見られる状況になってしまっているのは間違いないようだ。これは悪手だったといえ、売却は市場閉幕ギリギリまで待つことになるかもしれない。