CWCでは最多27人、カンファレンスリーグでは36人も起用 チェルシーが見せた過密日程を戦い抜く『選手量』の戦略

CWCを制したチェルシー photo/Getty Images

選手の質だけでは戦えない

前評判を覆し、クラブワールドカップ2025決勝(CWC)でパリ・サンジェルマンを撃破して頂点に立ったチェルシー。

PSGを3-0で撃破したパフォーマンスも見事だったが、大会を通してもう一つ見逃せないポイントがある。それがチェルシーの『選手量』だ。

今夏の市場で獲得したFWジョアン・ペドロもさっそく大会に参加したが、チェルシーは今大会で実に27人もの選手を起用している。これはフルミネンセ(23人)、レアル・マドリード(22人)といったチームを抑え、大会最多の起用人数となっている。

近年のチェルシーは市場で選手を獲得しすぎていると批判を受けることもあったが、その選手量はCWCのような短期決戦を戦ううえで効果的な武器となる。特にアメリカで開催された今大会は猛暑が選手を苦しめており、その点においても27人で戦い抜いたチェルシーの戦略は正しいものだったと言える。

今のサッカー界で過密日程は1つの問題となっていて、複数大会を勝ち抜くには選手の『質』だけでは足りないのかもしれない。単純な選手の『量』も必要となってくる。

チェルシーは2024-25シーズンにUEFAカンファレンスリーグも制しているが、この大会でも36人もの選手を起用していた。カンファレンスリーグはチェルシーにとって下位カテゴリーのコンペティションとなるため、積極的にアカデミー出身の若手も起用していた。それも出場選手数が増えた理由の1つだが、結果的にこの大幅ローテーションも正解だった。

チャンピオンズリーグに関しては選手登録が25人と制限されているため、これと同じやり方は通用しない。トップチームの人員を削減するか、単純に登録外となる選手が出るのを受け入れるしかない。このあたりの調整は難しいが、カンファレンスリーグとCWCを通じてチェルシーの『量』を活かした戦い方が過密日程を乗り越える1つのヒントになったのは間違いない。



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