スアレスに4000万+1ポンド、メッシに勘違いで3000万ポンド…… 移籍市場を困惑させた“珍オファー”

リヴァプールで得点を量産していたスアレス Photo/Getty Images

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成立するわけがない

アメリカで開催されたクラブワールドカップの影響もあるのか、今夏はプレミアリーグ強豪たちの移籍市場での動きがより活発な印象を受ける。

王者リヴァプールはMFフロリアン・ヴィルツ、ジェレミー・フリンポン、ミロシュ・ケルケズなどをすでに獲得し、昨夏思うように選手を獲得できず不満を抱いていたファンの溜飲を下げている。アーセナルの動きも早く、第2GKにケパ・アリサバラガ、中盤にマルティン・スビメンディとクリスティアン・ノアゴーの獲得をすでに完了させたほか、いよいよスポルティングCPからFWヴィクトル・ギェケレシュの獲得にこぎつけようとしている。マンチェスター・シティはMFタイアニ・ラインデルス、DFライアン・アイト・ヌーリ、MFラヤン・チェルキら、チェルシーはFWジェイミー・バイノー・ギッテンス、FWリアム・デラップ、MFジョアン・ペドロらの獲得を果たした。

盛りあがりを見せている移籍市場だが、過去にはなぜこんなオファーが?とファンが頭を抱えるような事例も数多くある。英『Mirror』は、そんな移籍市場の“珍オファー”を特集している。
笑いものになった失敗例として、2013年のアーセナルのオファーが真っ先に挙がっている。リヴァプールのFWルイス・スアレスに対し、同選手の契約解除条項が4000万ポンドだという話を耳にしたアーセナルは、契約解除条項ををわずかに上回る4000万と1ポンドのオファーをリヴァプールに提出。しかし4000万ポンドはバイアウトの金額ではなく、単に移籍交渉につくための最低限の金額だったことが判明。当然ながらこの奇妙なオファーは拒否され、オーナーのジョン・ヘンリー氏は「あいつらはエミレーツで何か変なものでも吸っているのか?」と吐き捨てた。

マンチェスター・シティは、2009年にシェイク・マンスール氏がクラブを買収したばかりのころ、FW探しに奔走していた。フェルナンド・トーレス、ディミタール・ベルバトフといったFWたちの獲得が失敗に終わり、移籍市場はそろそろクローズしようとしていた頃だった。当時のクラブ幹部のガリー・クック氏が語ったところによれば、「すべてが混乱している」と語ったことが、伝達されるうちにどういうわけか「メッシを獲得しろ」という話に変わっていたのだという。リオネル・メッシに対し約3000万ポンドのオファーが出されたが、バルセロナでスーパースターへの道を駆け上がっていたメッシがそのような値段で動くはずもなく、当然のようにそれは拒否された。

ライバルのマンチェスター・ユナイテッドにも奇妙な逸話が残っている。サー・アレックス・ファーガソンによる長期政権が終わりを迎え、新指揮官にデイビッド・モイーズを迎えた2013年にそれは起こっている。エヴァートンを率いていたモイーズは古巣から戦力を引っ張ることに熱心だったが、中心選手であったMFマルアン・フェライニとDFレイトン・ベインズに対し、2人あわせて2800万ポンドというオファーをエヴァートンに提出。エヴァートンの当時の広報担当者は「この入札は、嘲笑的で侮辱的であるとして即座に拒否されました」とオファーを非難している。いくら功労者モイーズからのオファーでも、主戦力をそんな金額で手放すわけがなかった。結局、マンUはフェライニだけを獲得している。

高額な移籍金が動くことで注目されるプレミアの移籍市場だが、長い歴史のなかではこのような奇妙なことも起こっていた。今季もマーケットが閉まるまでまだまだ時間があるが、ファンがひっくり返るような驚きのオファーは生まれるだろうか。




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