往年のイングランドのスター ガスコインの半生が語られる「以前は幸せな酔っ払いだったのに、今は悲しい酔っ払いだ」

現役時代のガスコイン氏 photo/Getty Images

アルコール依存症に悩まされるかつてのスター

往年のプレミアリーグのスター選手と聞いて「ガッザ」ことポール・ガスコイン氏を思い浮かべるオールドファンも多いだろう。ニューカッスルやトッテナムで活躍したガスコイン氏だが、その引退後はアルコール依存症に悩まされていることで知られている。そんなガスコイン氏の半生が『High Performance Originals』によるドキュメンタリー 『gazza vs. Paul』の中で語られた。

ガスコイン氏は現在、自身の代理人の家に滞在し、アルコール依存症患者向けの12のステップに従ったミーティングに参加を行い、断酒を続けるための努力を続けていると『MARCA』紙は伝えた。

「以前は幸せな酔っ払いだった。今は違う。悲しい酔っ払いだ。外に飲みに行かず、室内で飲むんだ」
ドキュメンタリーの中でそう語ったガスコイン氏はこれまで7度リハビリ施設に入所したという。

「悪い一日にしたければ、パブに行けばいいだけだ。良い日にしたいなら、竿を出して釣りに行く。お酒のせいじゃなくて、飲んだ後なんだ。携帯電話を見て、30件のメッセージや不在着信があると、困ったことになったと思うんだ」とし、「便座からコカインを取り出したり……、それから国の大使にならないかと言われた。笑っていいのか泣いていいのかわからなかったよ」と自身の半生を振り返る。

そして、これまで10のチャリティ団体に100万ポンド近く寄付を行ってきたことを明かし、「決してあきらめたことはない。あきらめる瞬間は、棺桶の中にいるときだと思う。それ以外は戦い続けるよ」とアルコール依存症脱却に向けて決意を口にした。

アスリートは多くの富や名声を獲得する中で同様にアルコールや薬物の依存症、女性問題や金銭トラブルに見舞われるケースが多い。その中で、ガスコインのような選手たちが、自身の問題を公にし、他のアスリートが同じ過ちを犯さないようにすることで、社会に対して重要な役割を果たしている。彼らの経験は、アスリートが直面する可能性のある問題についての認識を高め、スポーツ界全体がこれらの問題に対処するための方策を見つける助けとなっていくだろう。

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