現在ロサンゼルスFCに所属する元フランス代表GKウーゴ・ロリスは、長きにわたってトッテナムでプレイしていた。2012年の8月にリヨンからトッテナムに移籍すると、プレミアリーグでは439試合に出場。16-17シーズンはチェルシーと優勝争いを演じ、リーグ2位に貢献している。
ライバルのアーセナルを久々にしのいだシーズンでもあり、このあたりからがマウリシオ・ポチェッティーノが築いたひとつの黄金時代だ。しかし結局タイトル獲得とはならなかった。この時代に、ロリスはクラブがひとつの失敗を犯したと認めている。英『The Athletic』にて語っている。
「ポチェッティーノの下では年々進歩がみられ、私たちは非常に競争力があった。私たちは勝利に近づいていた。当時、私たちは成功を目指して競争し、トロフィーを獲得するために、あと2〜3人の選手がいたらよかったと思うよ。当時、クラブは新しいスタジアムに焦点を当てていた。私たちの進歩は、クラブにとって速すぎたんだよ。彼らには今のような経済的な余裕がなかった。当時、我々は数人の選手を追加して、選手のグループを再編成する必要があったんだ」
戦力補強よりも新しいスタジアムの建設を優先したことが、タイトルに届かなかった理由だとロリスは振り返っている。クラブは17-18、18-19シーズンのホーム戦を、ウェンブリー・スタジアムで戦わなくてはならなかった。
「トロフィーを獲得する可能性がもっとも高いと感じたときに、ウェンブリーに移ることになってしまった。前年のホワイト・ハート・レーン(旧スタジアム)では無敗だった。17試合に勝ち、2分した。それは大きな記録だったよ。当時ホワイト・ハート・レーンに残れば同じ勝ち点を獲得できるのではと思ったけど、環境の異なるウェンブリーに移らなくてはならなかった。それに1年半も対処しなくてはならなかったんだ。それでもなんとかトップ4に入ることができたよ」
結局2017年の2位に匹敵する成績は残せず、スパーズは今季もタイトル争いからは一歩出遅れている。クラブがリヴァプールやマンチェスター・シティと並ぶ競争力を手にすることはできるか、今はアンジェ・ポステコグルー監督の手腕に託されている。