日本に負けた時と比べてスペインが一気に強くなった? ヤマル、サラゴサ、ガビ、サンセトら若手の能力が強烈すぎる

EURO予選を通して進化しているスペイン代表 photo/Getty Images

個人で仕掛けられる若手が増えた

12日にはEURO2024予選・グループAの首位に立っていたスコットランド代表を2-0で撃破し、続く15日にはノルウェー代表に敵地で1-0と勝利を収めたスペイン代表。無事に予選通過を決めたわけだが、そのチームの中心には成長著しい若手の存在がある。

今年3月のスコットランド戦は0-2で落とすなど、EURO予選のスタートは少々苦いものだった。しかし、代表監督ルイス・デ・ラ・フエンテが積極的に若手へチャンスを与えたこともあり、あの敗北からの半年間でチームは大きく成長したように感じられる。

英『The Guardian』もデ・ラ・フエンテの若手起用策を称賛しており、一気に層の厚みが増した印象だ。
「デ・ラ・フエンテは若い選手の才能に賭けており、それがスペインを軌道に乗せた。彼はワールドカップでプレイしたガビ、アンス・ファティ、ペドリといった選手を継続的に起用しつつ、バルセロナで衝撃のスタートを飾った16歳のラミン・ヤマルも積極的に起用した」 

右サイドから仕掛けられるヤマルの登場は大きい。デ・ラ・フエンテは今年9月の代表マッチウィークでヤマルをデビューさせており、この判断も素早かった。16歳のヤマルをA代表で起用するのは早すぎるとの見方もあったかもしれないが、今では貴重な右サイドの仕掛け屋だ。

他にも、今月のスコットランド戦ではアスレティック・ビルバオMFオイアン・サンセト(23)、グラナダで売り出し中のドリブラーであるFWブライアン・サラゴサ(22)、レアル・マドリードの左サイドバックに入るフラン・ガルシア(24)といった選手たちもデビューさせている。

ブライトンにレンタル移籍し、やや伸び悩んでいる印象もあるFWアンス・ファティも継続的に招集するなど、デ・ラ・フエンテが若手の才能に賭けているのは間違いない。予選で積んだ経験は来夏の本大会に活きてくるはずで、若手の起用と予選通過を両立させられたのは大きい。左サイドから仕掛けられるサラゴサも楽しみな選手で、スペインは一気に力をつけてきた印象だ。

スペインといえば昨年のワールドカップ・カタール大会のグループステージで日本代表に敗れ、大会もベスト16で姿を消した。あの時はポゼッション率の高さばかりが目立って攻撃が機能しなかったが、ヤマルやサラゴサといった個人で仕掛けられるアタッカーの登場で引き出しは増えている。カタール大会の頃から一気に強化されたと言えよう。

若い力には波があるものだが、すべてのピースがハマればEURO制覇も夢ではない。

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