ユヴェントス、インテルではセリエAを制覇し、チェルシーでもプレミアリーグを制覇するなど、現在トッテナムを指揮するアントニオ・コンテは結果を出してきた指揮官だ。
いずれのクラブもコンテが就任するまでは苦労していたところがあり、指揮したクラブを素早く立て直してリーグ制覇へ導いた手腕は見事だ。強烈なパッションで選手を鼓舞し、闘う集団へと変える特別な力がある。
その一方で物足りないのがチャンピオンズリーグでの成績だ。やはり名将の称号を得るにはチャンピオンズリーグのタイトルが必要で、これがコンテに欠けているものでもある。
今季はトッテナムをベスト16に導いたが、ベスト16ではミランに敗北。2試合とも無得点で終わってしまい、トッテナムは最後まで昨季のイタリア王者を崩せなかった。
コンテの監督キャリアを振り返ると、チャンピオンズリーグでは通算42試合指揮して15勝14分13敗の成績に留まる。最高成績はユヴェントスを指揮していた2012-13シーズンに進んだベスト8となっており、チャンピオンズリーグではまったく結果が出ていない。国内リーグの方を重視しているとも考えられるが、両立も名将への条件だ。
チャンピオンズリーグの勝率が35.7%のままで名将と呼ぶのは難しいか。国内リーグでの成績は納得できるものだが、チャンピオンズリーグでベスト8入りが1回というのは少々物足りないものとなっている。