柴崎の衝撃ミドルで「大番狂わせが起こるかと……」　アジア勢のCWC決勝進出で蘇る鹿島がレアル追い詰めた記憶

左足のミドルシュートでゴールを奪った柴崎 photo/Getty Images

一時はレアル相手にリードを奪った

例年クラブワールドカップは欧州VS南米のファイナルになることがほとんどだが、稀にサプライズが起こる。

現在モロッコで開催されている同大会では、準決勝でアジア代表のアル・ヒラル（サウジアラビア）が南米代表のフラメンゴ（ブラジル）を3-2で撃破。フラメンゴはブラジル人FWガブリエウ・バルボサやペドロ・ギリェルミ、ウルグアイ代表MFジョルジアン・デ・アラスカエタ、元ブラジル代表DFダビド・ルイスなど実力者を揃えるクラブで、一部では欧州代表のレアル・マドリード（スペイン）をも倒せるのではなんて期待もあった。それだけにアジア勢に敗れて準決勝で消えたのはサプライズと言っていいだろう。

アジアのクラブがファイナルへ駒を進めるのは3度目。米『ESPN』は過去のアジア勢の快進撃を振り返っているが、その中で注目されたのが2016年大会のファイナルを戦った鹿島アントラーズだ。

2018年大会もアジアよりアル・アイン（UAE）がファイナルへ進んだが、この時はレアル・マドリードに1-4のスコアで完敗を喫している。

一方で2016年の鹿島は、同じレアル相手に延長戦までもつれ込む熱闘を演じた。先に1点を奪われたものの、52分にMF柴崎岳が左足で逆転のミドルシュートを決めた際にはスタンドからどよめきが起こった。同メディアも「大番狂わせが起こるかと予感させた」と7年前のことを振り返っており、アジア勢が最もクラブワールドカップ王者に近づいた瞬間だったと言える。

あの大会より柴崎は注目度を高め、2017年にスペインのテネリフェと契約。その後もヘタフェ、デポルティーボ、現在のレガネスとスペインでの戦いは続いており、あのレアル戦がキャリアを変えるきっかけとなったのは間違いない。

今回フラメンゴを撃破してレアルへの挑戦権を得たアル・ヒラルは、FWオディオン・イガロやルシアーノ・ビエットなど、強烈な外国人助っ人を揃えるチームでもある。アジア勢としては3度目となる大番狂わせを狙ってのファイナルとなるが、レアル相手に特大のサプライズを起こせるのか。2016年大会から3度もアジア勢がファイナルへ進んでいることを考えると、クラブワールドカップの勢力図も変わりつつあると見ていいだろう。アジア勢がチャンピオンになる可能性もゼロではなく、アル・ヒラルが新たな歴史の扉を開くのか注目だ。