56歳にして初のスクデット獲り 遅咲きの指揮官ピオリの才は名門ミランで花開いた

ミランを指揮するピオリ photo/Getty Images

次に目指すはCLでの躍進だ

2003年に当時セリエBに所属していたサレルニターナで指揮官を始めてから約20年。まさか名門ミランをスクデットへ導くことになるとは、本人も予想していなかったかもしれない。

昨季ミランをスクデットへ導いたステファノ・ピオリは、これが指揮官生活を始めてから初タイトルとなった。サレルニターナに始まり、モデナ、パルマ、ピアチェンツァ、サッスオーロ、キエーヴォ、ボローニャなどイタリアの下位から中位のクラブで経験を積み、2014年にはラツィオの指揮官に就任。評価が本格的に上がり始めたのはこのあたりかもしれない。

かなり時間はかかったが、ピオリは56歳にして初のスクデットを手にすることになった。しかも、今のミランはかつての黄金期のように圧倒的戦力を抱えているわけではない。戦力的にはライバルのインテルやユヴェントスの方が豪華だったかもしれない。
しかしピオリはオリヴィエ・ジルー、ズラタン・イブラヒモビッチといったベテランの力を引き出しつつ、若いサンドロ・トナーリやラファエル・レオン、フィカヨ・トモリといった若手の個性を上手く伸ばしてみせた。気付けば若手とベテランが融合した見事なチーム構成に仕上がっていたのだ。派手なことをする指揮官ではないが、このバランス力は見事と言うしかない。

ピオリにとって次のステップは何か。やはりチャンピオンズリーグだろう。過去にヨーロッパリーグでの戦いは経験していたが、チャンピオンズリーグ本大会での指揮は昨季が初めて。それもミランはあっさりグループステージで敗れてしまった。

新シーズンはリーグ連覇と同時に、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出も目指したい。それがピオリの次なる目標であり、それが出来ればさらに指揮官としての評価が上がるに違いない。欧州の舞台でピオリがどうチームをコントロールしてくるのかも楽しみだ。

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