レアル・マドリードを離れて以降のFWクリスティアーノ・ロナウドをどう評価すべきだろうか。個人の数字だけを見れば、ロナウドはユヴェントスでも昨季復帰したマンチェスター・ユナイテッドでも十分な成績を残している。
しかし、それがチームの得点数に反映されていないところは気にかかる。例えば昨季リーグ戦6位と大苦戦だったマンUは、57ゴールしか奪えなかった。そのうちロナウドがトップとなる18ゴールを記録しているのだが、ロナウドがいなかった2020-21シーズンはチームで73ゴールを奪えている。
この時チームのトップスコアラーだったのはMFブルーノ・フェルナンデスで、リーグ戦で18ゴールを記録。さらにFWマーカス・ラッシュフォードが11ゴールを奪っている。
それがフェルナンデスは昨季10ゴール、ラッシュフォードは4ゴールまでダウン。ロナウドの得点力が加わったものの、チーム全体の得点数はマイナスになってしまう現象が起きた。
ユヴェントスでも似たことは起きている。ロナウド加入前の2017-18シーズンはリーグ戦で86ゴールを奪っていたが、ロナウドが加入した2018-19シーズンは70ゴールまでダウン。
2017-18シーズンはパウロ・ディバラが22ゴール、相棒のゴンサロ・イグアインが16ゴールを奪っており、2人が攻撃の中心だった。2018-19シーズンはロナウド加入の代わりにイグアインがレンタルでクラブを離れることになり、さらにディバラの得点数が22ゴールから5ゴールまでダウン。これはディバラ個人の問題でもあるが、チーム得点数が前のシーズンより落ちたのは事実だ。
これはロナウドの責任というわけではなく、ロナウドはユヴェントスでも加入1年目からリーグ戦で21ゴールを奪っている。ただ、個性が強すぎるあまり周囲の選手と連携させるのが難しいところもある。どうしてもロナウド中心のチームに仕上がってしまうのだ。
現在はマンU退団の噂が浮上しているが、英『The Sun』はこのデータからロナウド抜きの方がマンUは上手くやれるのではないかと疑問を投げかける。
特にポルトガル代表でも一緒にプレイするフェルナンデスとの相性には疑問もあり、代表でも上手く絡めていないところがある。さらにはラッシュフォード、ジェイドン・サンチョといったタレントも活かしていきたいところで、今季より指揮官に就任したエリック・テン・ハーグの下で思い切って若手中心の攻撃陣へと切り替えるのも手だ。
37歳になった今もロナウドに大きな衰えがないのは凄いことだが、チームに組み込むとなれば話は変わってくる。そこにはリスクもあり、少しばかり起用が難しい選手か。