ウィルシャーに続く“ガラスの天才”? アーセナルで衝撃残したチェンバレンの納得できぬ今

アーセナルでプレイしていた頃のチェンバレン photo/Getty Images

イングランド代表デビューから10年が経った

イングランドでガラスの天才といえば、アーセナルで長くプレイしたMFジャック・ウィルシャーを思い浮かべる人が多いだろう。チャンピオンズリーグでバルセロナを翻弄するスペシャルなパフォーマンスを見せるなど才能抜群だったが、度重なる怪我がキャリアにブレーキをかけてしまった。

だが、怪我多き天才プレイヤーはウィルシャーの他にもいる。どこか才能を活かしきれていないのは、アーセナルを経て現在リヴァプールに所属するイングランド代表MFアレックス・オックスレイド・チェンバレンだ。

チェンバレンもかなり早熟の選手で、サウサンプトンでは16歳でデビュー。イングランドA代表でも18歳と9か月の若さでデビューを果たしており、期待は大きかった。アーセナルでプレイしていた若い頃はサイドから積極的に仕掛けるタイプのアタッカーで、スピードもテクニックも特別な領域にあったと言える。天才肌のプレイヤーと言っていいだろう。
しかし、チェンバレンも大きな怪我が足を引っ張った。ポテンシャルは間違いないはずだが、これまでプレミアリーグでは通算226試合をこなして19ゴール28アシストに留まる。得点を量産するタイプではないとしても、やや得点数は物足りない。プレミアリーグにおけるシーズンキャリアハイは2019-20シーズンの4ゴールだ。

現在所属するリヴァプールは中盤にハードワークできる実力者が揃っていることもあり、チェンバレンの出番は増えない。昨季はリーグ戦で787分、2020-21シーズンは前半戦を怪我で棒に振り、後半戦も出番が増えぬまま244分間のプレイに終わっている。

おそらくリヴァプールで最も良かったシーズンはチャンピオンズリーグ準々決勝のマンチェスター・シティ戦で強烈ミドルを叩き込んだ2017-18シーズンか。しかしあのシーズンも準決勝1stレグのローマ戦で大怪我を負ってしまい、2ndレグと決勝のレアル・マドリード戦は欠場している。

イングランド代表もデビューは早かったが、メジャートーナメントの出場はEURO2012の3試合のみ。EURO2016と2018年のワールドカップ・ロシア大会開催時はともに怪我を抱えており、代表の方でも力を発揮できていない。まだ28歳と年齢的には良い時期にあるが、激戦区となっている今のイングランド代表の中盤に割って入るのは困難だろう。

デビュー当初のインパクトはウィルシャーにも負けないものがあったかもしれないが、チェンバレンも気付けば28歳。イングランド代表デビューから10年の時が経ち、このままではポテンシャルをフルに発揮できぬままキャリアが終わってしまう可能性もある。怪我は不運だったが、年齢的にはもう一度特大のパフォーマンスを見せてほしいところ。諦めるには早いが、チェンバレンはここからキャリアハイの数字を出していけるか。

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