偽9番が終わり、大型ストライカーの到着へ “新章”突入するシティはクラブ史上初の3連覇なるか

ハーランドはマンチェスター・シティに何をもたらすか photo/Getty images

早くも人材を確保している

21-22シーズンのプレミアリーグを制したマンチェスター・シティ。終盤は2位リヴァプールの追い上げがあり、特にラストの2試合はウェストハム(△2-2)、アストン・ヴィラ(〇3-2)と難しい試合ばかりだったが、何とか勝ち点4を獲得してリーグタイトルを手に入れている。

これで20-21シーズンから続いての連覇となった。また、17-18シーズン、18-19シーズンでも連覇しており、ここ5年で4度目のリーグ優勝だ。CLでは上手く成績を残せていないシティだが、プレミアでは圧倒的であり、2006年から2009年で3連覇したマンチェスター・ユナイテッドを思い出させるような強さである。

次に期待されるのはそのユナイテッドが成し遂げたリーグ3連覇だ。前回連覇した際も3連覇を目指したが、ライバルであるリヴァプールが強さを見せ、リーグタイトルの獲得を許した。今のリヴァプールは当時よりも強くなっており、警戒する必要がある。

それでも、シティが3連覇できる要因はある。それはアーリング・ハーランドの獲得だ。ノルウェー代表FWは純粋な9番であり、セルヒオ・アグエロ退団以降シティが求めていた人材だ。

ハーランドのような9番の必要性は今季痛いほどわかった。特にシーズンダブルを達成されてしまったトッテナム戦だ。2-3と敗れた後半戦は72%のボール支配率を記録するなど、主導権を握ったが、攻めきれず敗れている。その攻めきれなかった原因はスパーズの強固な守備にある。5バックで自陣に引いており、クロスを供給するもエリック・ダイアー(188cm)、クリスティアン・ロメロ(185cm)ら屈強なDFに攻撃を跳ね返され続けた。しかし、194cmのハーランドがいればどうか。ケビン・デ・ブライネらから供給されるクロスは武器となり、一気に攻撃の選択肢が増える。

だが、不安要素もある。それはチェルシーが純粋な9番としてロメル・ルカクを獲得して失敗したようにシティも同じミスを起こす可能性があるからだ。トーマス・トゥヘル監督率いるチェルシーはカイ・ハフェルツのようないわゆる偽9番の働きができる選手を最前線に置いて昨季はCLを制した。しかし、今季は高さと強さを兼ね備えたストライカーを最前線に置き、攻撃時の流動性を失ったことがあった。ハーランドがルカクのような失敗になるかは分からないが、偽9番から純粋な9番を最前線に置いた際の難しさは今季で分かっている。

クラブ史上初のなるリーグ3連覇に向けて大きな武器を獲得したシティ。それは待望のストライカーであり、彼がどのような変化をチームにもたらすのか注目だ。

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