アルゼンチンに渋い実力派GKが増えている
以前のアルゼンチン代表はGKに不安があるとされてきたが、ここ最近はアストン・ヴィラのエミリアーノ・マルティネスを中心に渋い実力者が目立ってきている。
同じく代表メンバーに選ばれているアタランタのファン・ムッソ、ビジャレアルのヘルニモ・ルジといった選手も、今年のワールドカップメンバーに入ってくる可能性が高い。
ただ、面白い選手はこの3人だけではない。今スペインのリーガ・エスパニョーラで注目されているのが、17位と残留争いに巻き込まれているカディスに所属する29歳のアルゼンチン人GKヘレミアス・レデスマだ。
17位という順位が示す通りカディスは苦戦を強いられているのだが、その中でレデスマはリーグ全体4位タイとなる12回のクリーンシートを達成している。これはアトレティコ・マドリードGKヤン・オブラク(11回)、バルセロナGKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲン(10回)といった上位陣のGKよりも多くなっている。
クリーンシートはDF陣の奮闘にも左右されるもので、GK1人で達成できるものではない。ただ、レデスマの場合は今季リーグで2番目に多い107回のセーブ数を記録してするなど忙しい。この数字は評価されるべきだろう(データは『WhoScored』より)。
レデスマは長くアルゼンチンのCAロサリオでプレイし、2020年にカディスへ移籍。世代別アルゼンチン代表に選ばれた経験はあるが、まだA代表では出場歴がない選手だ。
とはいえ、最近のアルゼンチンは前述のエミリアーノ・マルティネスを筆頭に遅咲きのGKも増えている。レデスマもまだここからチャンスがあるはずだ。
おそらく今年のワールドカップではマルティネスが守護神の筆頭候補となるだろうが、レデスマもサブGK争いには入ってくるのではないか。超のつくワールドクラスGKは見当たらないが、欧州5大リーグの中堅や準強豪クラブで結果を出している者が増えているのは心強い。攻撃陣だけでなく、渋くゲームをまとめる守備陣にも注目だ。