獲得時における期待値を考えれば、彼は間違いなく掘り出し物だった。しかし、ACミランは今夏のタイミングでこの若者を手放す必要があるのだろうか。決して戦力になっていないわけではないのだが、より高みを目指すのであれば彼以上の人材を求めるべき。昨今、現地メディアの間ではそんな意見も見かけるようになってきた。
その選手とは、2020年にアンデルレヒトからやって来たMFアレクシス・サレマーケルスだ。加入以降は豊富な運動量と積極果敢なドリブルでミランの右サイドで奮闘を見せてきた同選手。しかし、今季はそのパフォーマンスが鳴かず飛ばずの状態となっており、新加入MFジュニオール・メシアスと併用される状態が続いている。
加入時には630万ユーロだった市場価値が現在1800万ユーロにまで上昇していることを考えれば、彼がミランでよくやっているのは間違いない。しかし、昨今は現地メディアの間で「ロッソネリが優勝を目指すのであれば、右サイドにはもう少しクオリティの高いアタッカーを獲得してくるべき」との声も目立ってきた。たしかに今季のスカッドを見てみれば、やや物足りなさを感じさせるのは彼のプレイしている2列目だ。彼を売却した上で、その資金を新たな戦力の獲得に注ぎ込む。今後ミランが2列目の強化を図るのであれば、これは現実的なプランとして十分に想定することができるだろう。
加えて、現在のサレマーケルスには複数クラブからの関心が噂されている状況だと『calciomercato』が伝えている。同メディアによると、まだ具体的なクラブ名こそ判明していないものの、現時点では彼の獲得に移籍金2000万ユーロ程度のオファーを提示しているスペインやイングランドのクラブがあるようだ。今季におけるサレマーケルスのパフォーマンスに満足していないとされるミランにとって、このオファーは捨てがたいはず。こうして考えてみると、今夏サレマーケルスがミランを離れる可能性は決して低くないのかもしれない。
これまで約2年間にわたってミランの復活劇を支えてきたサレマーケルスだが、彼とロッソネリの関係は今季限りということになってしまうのか。今後の動向には引き続き注目したいところだが、はたしてその未来やいかに(記事内データは『transfermarkt』より)。