サネVS酒井、ニャブリVS長友が勝負を分ける ドイツ代表は今、誰がいる? FW編

マンチェスター・シティを経てバイエルン・ミュンヘンでさらに成長を遂げたサネ photo/Getty images

ビッグネームが並ぶ

オーストラリア代表に勝利してワールドカップ・カタール大会行きを決めた日本代表。すでにグループステージの抽選会は行われており、スペイン代表、ドイツ代表、そしてニュージーランド代表対コスタリカ代表のプレイオフ勝者が入るグループEとなった。8強入りを目指すサムライブルーとしては死の組であり、これからの親善試合が重要となる。

ドイツ代表は長くヨアヒム・レーヴが監督を務めていたが、昨年の夏に行われたEURO2020を最後に退任している。新監督には元バイエルン・ミュンヘンのハンジ・フリックが選ばれており、フリックとなってからは9戦中8勝1分30ゴール3失点と未だ無敗である。

ドイツ代表はブンデスリーガの強豪バイエルンから多くの選手が選ばれている。前線であればトーマス・ミュラーがそうだ。ドイツ代表では[4-2-3-1]のセンターフォワードや2列目で起用されることが多く、得点に絡むことができる選手である。一番の強みはそのランニングにあり、自身でボールを受けるため、味方にスペースを作るため、守備のためと様々なタスクを負って走り回り、前線からチームを助けることができる選手だ。基本的な個の技術が高い選手であり、今季はブンデスリーガだけで7ゴール16アシストを記録している。バイエルンではロベルト・レヴァンドフスキを生かす動き出しが上手く、ドイツ代表でのパートナーはティモ・ヴェルナーとなるか。

同じくバイエルンのレロイ・サネはドリブルを得意とするスピードスターだ。左利きの選手で左サイドに起用されることが多く、縦への突破からチャンスメイクを狙ってくる。パンチ力のあるシュートを武器としており、バイタルエリアで少しでも余裕を与えれば強烈なミドルシュートが飛んでくる。近年はマンチェスター・シティやバイエルンで評価を落とし気味だったが、今季は27試合で7ゴール7アシストと評価を高めている。

サネと対をなすサイドアタッカーとしてセルジュ・ニャブリがいる。右サイドで起用されることが多く、ドリブル、シュート、パスとどの能力も高水準だ。万能型のFWで、今季は11ゴール5アシストと得点数を二桁に乗せており、決定力が高い。176cmとそこまで大きな選手ではないが、体は分厚く内に秘めたパワーを持っている。

ドイツ代表はバイエルンと違ってレヴァンドフスキのような絶対的なセンターフォワードがいない。最前線に入る選手としてチェルシーのティモ・ヴェルナー、カイ・ハフェルツ、ヴォルフスブルクのルーカス・ヌメチャがおり、彼らにミュラーを加えた4人でローテーションし起用されている。

ヴェルナーはサネ同様にスピードスターであり、裏抜けを得意としている。ボックス内でのポジショニングと動き出しは絶品であり、多くのチャンスに関与することができる。リーグではフィニッシュの精度がどうしても上がらず、今季はチェルシーで1ゴールしか挙げられていないがドイツ代表では好調であり、前回のイスラエル戦ではゴールを決めた。

ハフェルツはミュラーと同じく万能な選手であり、現状のシステムであれば前線ならどこでもプレイできる。どちらかといえば細身に見えるが、プレミアの屈強なDFを背負えるフィジカルを持っており、そこからのパスやシュートを得意としている。チェルシーではリーグ戦で6ゴール2アシストを記録しており、7日のレアル・マドリード戦ではチェルシー側で唯一のゴールを奪った。2列目、最前線を器用にこなす選手であり、要注意人物の一人だ。

ヌメチャはこの中で珍しい本格的なストライカーである。シティの下部組織出身で、複数のクラブのローン移籍を経て今季からヴォルフスブルクでプレイしている。代表ではそこまで出番を与えられているわけではないが、継続して代表に招集されており、前述したCFに入る選手とは違った味を出すことができる。起用されるとすれば先発ではなく、終盤で投入されることになるか。

日本代表が注意すべきはまず、前線の選手たちの流動性をどこまで封じられるかだ。ミュラーにハフェルツ、ヴェルナーとオフザボールに長けた選手ばかりであり、選手の受け渡しが重要となる。サネとニャブリの突破力も彼らの強みであり、現状のスタメンから考えるとサネには酒井宏樹が、ニャブリには長友佑都が相対することになる。両者ともに日本でのトップクラスのサイドバックだが、どこまで健闘できるのか注目だ。

前回のワールドカップ・ロシア大会ではグループステージ敗退。EURO2020では16強で姿を消すなど、直近の国際大会では結果を残せていないドイツ代表。それでも、選手や監督を見る限りでは優勝候補といっても過言ではなく、日本はカタールでの初戦にこのドイツ代表と対戦することになる。

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