優秀なアンカーだ
28日に行われたアスレティック・ビルバオ戦では4-0と快勝し、公式戦ではバレンシア戦、ナポリ戦に続く4ゴールとなった。シーズン序盤は下位クラブからゴールを奪えないほどに攻撃力がなかったチームとは思えないほどの成長ぶりである。
そんな強力なバルセロナを中盤から支えるのがMFセルヒオ・ブスケッツだ。当時クラブの指揮官だったジョゼップ・グアルディオラにトップチームに呼ばれ、現在までアンカーとして長くバルセロナに貢献しているブスケッツ。ショートパス、ミドルパスの正確さに加え、視野の広さ、冷静さはピカイチであり、今のバルセロナにアンカーを任せられる選手は他にいない。スピードのなさから守備面で批判されることもあるが、ある程度は読みでカバーしており、深刻なものではない。
33歳になっても彼が衰えることはない。今季はロナルド・クーマン、シャビ・エルナンデスと2人の監督がバルセロナを率いているが、どちらもブスケッツを重宝しており、プレイタイムは守護神のマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンよりも多い2035分となっている。
パスのスタッツは彼のすごさを物語っている。パス成功数1587本はリーガ・エスパニョーラで最多であり、成功率も87%と高水準である。ロングボールの数はそこまで多くはないが、131本をつないでおり、成功数は68%と2本に1度は必ず成功させている。特にサイドチェンジは見事であり、バルセロナの攻撃が停滞しないのはブスケッツの存在が大きい。
問題は彼がいつまでクラブにいてくれるかだ。現状の契約では2023年までと来季末で切れることになる。チーム内での後釜といえるのはニコ・ゴンサレスくらいであり、代役はまだ務まらない。移籍市場に精通しているジャーナリストのファブリシオ・ロマーノ氏によればメジャーリーグサッカー行きの可能性があるといわれており、バルセロナのアンカーの世代交代は案外早いタイミングで行われるかもしれない(データは『SofaScore』より)。